表紙や推薦文に惹かれて読みました。
佐野先生、松村先生が推すなら合うんだろうと思いましたが、見事にページをめくる手が止まらなかったし、スリリングなようで優しさの積み重ねの展開は見事でした。
大人が決めたルールに従わなければならない子供達の行き場のない気持ちを夜の公園の死なないデスゲームで晴らしていく。
自分とは違うけど、悩みを抱えている子供達同士の関わり合うことで、解消していく。
仲介の人の接し方もとても優しくて、これは良いですね。
主人公が相手に寄り添える感受性だからこそ、この物語は優しくなったんだろうな。
主人公が殻を壊し、気持ちを吐き出したシーンには胸が熱くなりました。
ぶつかり合うことを手段から捨てないのは大切なことですね。
何かしらに抑圧されて悩みを吐き出せずに、抱えこんでいる子供達の背中をそっと押すような作風でした。
デスゲームが必要な理由には納得しました。
いつかデスゲームがなくなればいいんだろうけど、どうかな。
設定、キャラクター、文章、展開、どれも丁寧な読みごごちでした。
(あらすじ)
衝撃と感動の問題作、第26回電撃小説大賞「隠し玉」デビュー!
生きづらさを抱える水森陽向は、真夜中、不思議な声に呼ばれ、辿りついた夜の公園で、衝撃の光景に目を見張る――そこでは十代の子ども達が、壮絶な殺し合いを繰り広げていた。
夜の公園では、殺されても生き返ること。ここに集まるのは、現実世界に馴染めない子ども達であることを、陽向は知る。夜の公園とは。彼らはなぜ殺し合うのか。
殺し合いを通し、陽向はやがて、彼らの悩みと葛藤、そして自分の心の闇をあぶりだしていく――。
「生きること」を問いかける衝撃の青春小説に、佐野徹夜、松村涼哉、大絶賛!!
衝撃と感動の問題作、第26回電撃小説大賞「隠し玉」デビュー。