羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

コージーボーイズ、あるいは消えた居酒屋の謎

あらすじで興味が湧き、読んだが面白かったです。 コージーミステリーというのはあまり読みなれてなかったが、読み進めていくうちにのめり込めました。 探偵ではないが、好奇心を持つそれぞれの大人がカフェであーでもない、こーでもないと議論していく様子…

月光亭事件 創元推理文庫版

太田忠司先生の作品が気になっていた中、手に取りやすそうな今作を読みました。 少年探偵・狩野と犬・ジャンヌが探偵・野上のお手伝いすることに。そんな時に依頼が来て事件に巻き込まれる。 無邪気な狩野の性格に頬が緩む。 ジャンヌの振る舞いにも愛おし…

ソードアート・オンライン プログレッシブ2

キャンペーンクエストを受けるということで、階層攻略要素はなかったが、十分面白かったです。 クエストのNPCのキズメルさんがNPCとは思えないほど生きていて、戸惑うのも無理ない。ゲームの要素だと割り切れないくらい親しくなっていくのは先行きが不安で…

探偵はもう、死んでいる。6

表紙の素晴らしさよ。 最初の飛行機で出会った君塚とシエスタの話かなと思ったら、それよりも前の話でした。 シエスタが君塚に隣に座るまでの心情が描かれていて、見事でした。 シエスタと君塚が飛行機で出会う前の物語。どれだけ2人の関係には秘密があるの…

笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE

館モノミステリー。 巻数を重ねて、様々なタイプのミステリー話を読めるのは嬉しいが、今回はあまりにも煮え切らない締めだったのは残念でした。 事件の被害者達や関係者の思惑もハッキリせずにモヤモヤする終わりで、犯人の動機も分からずに締めくくられる…

凍りのくじら 文庫版

辻村先生の作品はまだ、数冊しか読んでいないが、その中でも屈指の満足度! 辻村先生の作品でこれ以上のものはあるのか?と思ってしまうくらい面白かった。 主人公・理帆子の冷めた生き方は当てはまる人はいるのではないか。多数よりは少数派かもしれないが…

サイレント・ウィッチ II 沈黙の魔女の隠しごと

モニカの学園で過ごす日々はドタバタ騒ぎの絶えないもので、読んでて楽しいですね笑 モニカが周りに話せる人ができて、学園のことに興味も持てるようになってきて、日々変化していくモニカの様子を追うのが微笑ましい。 だが、穏やかな日常だけでなく裏の陰…

高校事変 II

今回はJKデリヘルをテーマにしていて、社会風刺に遠慮なく突っ込んでいく姿勢がハラハラしつつもスッキリする読後感でした。 警察の知識も豊富で、へぇーとなることが多数でした。 1巻同様、また女性が被害に遭うのかとげんなりしたくもなるが、悪い奴らは…

家族シアター 文庫

家族小説。読み終えたら、向き合える家族と一緒にいるのは良いなと思いました。 今作は家族間の距離が近いからこそぶつかり合ってしまう模様を描いている。 一緒に住んでいるからこそ、分からなくなってしまう。 そんな状況から脱していくのが気になって仕…

恋する寄生虫

映画観たら、原作に戻りたいと思い再々読しました。 もう3度目になると驚きとかはないですが、高坂と佐薙が虫の存在が間に挟まっているとはいえ、世間に馴染めないという共通点や気が合うという相性の良さから仲を深めて、落ちていくのは美しいとすら思いま…

結婚が前提のラブコメ5

婚活ラブコメもシリーズ大詰め。 前回幸せをたぐり寄せたまひるさんが婚約が決まってめでたい。 苦労している姿を見ていた分、感慨深い。 今回は牡丹ですが、彼女が抱えている問題や相手の男爵の気持ちが固まってなく、先行きが見えなかったですが、縁太郎…

霊能探偵・藤咲藤花は人の惨劇を嗤わない

綾里けいし先生がガガガ文庫デビュー。 かみさまになれなかった藤花と見守る朔。 2人の特別な関係に惹きつけられる。 幻想的な描写と普段の日常の描写が良い感じに書き分けられていて、朔と藤花の関係性だったり、一緒にいる背景が想像しやすくなっていまし…

負けヒロインが多すぎる! 2

1巻ではコミカルに失恋模様を描いていたが、2巻では込み入った部分まで踏み込んでいて、引き締まる展開。 負けヒロインの失恋を軽いものではなく、しっかり大切に扱っていたのは作品にとって、大事な指針になると思います。 自分が好きな人に好きな人がいる…

鴨乃橋ロンの禁断推理 4

キャラクター性だけでなく、ミステリー作品として良いから有栖川有栖先生が推薦していても不思議ではない。 衝撃がある推理パートも目立って良いですが、そこに至るまでのフェアな謎解きが手堅くて、雑にならない解決方法が素晴らしいです。 ロンの血筋とは…

ブルーピリオド 4

遂に藝大受験が近づいてきて、ピリピリしてくる。 桑名さんの落ちていく人を見て安心を保つのは、誰だって無意識のうちにしてしまう時があるだろう。 プレッシャーと緊張が混ざって、試されている。 八虎の器用さ、世渡り上手の部分で秀でている分、自分勝…

サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと

どっかの作品の紹介されているチラシが挟まっていて、気になったので読みました。 そしたら、ドンピシャで自分好みの作品で、そのチラシに感謝したいです。 主人公・モニカは人見知りを極めていて、詠唱が唱えられない。 だから無詠唱で行えるように極めた…

2021年 13本目 映画 恋する寄生虫

三秋縋先生の恋する寄生虫が原案である映画を観てきました。 映画化決定時はただ嬉しかったが、いざ公開されるとなると怖くなってきました。 好きだからこそ、思っていたのと違うとなるのが嫌な気がしました。 ただ、原案の小説が好きなのは変わらないからと…

どうか俺を放っておいてくれ2 なぜかぼっちの終わった高校生活を彼女が変えようとしてくる

今回も面白かったです。 主人公・七村のぼっち語りは健在で彼の皮肉な部分がブレないのは良いところ。 呑気そうに見える七村だが、一週目の記憶が頭に過ぎり、迷い悩むのは優しいからこそ。 二週目だから、一週目との違いに思うことがあるのは当然。 設定が…

昨日星を探した言い訳

1年振りに読み返しました。 初めて読んだ時に気にしてなかった部分にも注意して読んだら、新たな発見が出来て、何度読んでも味わえる小説だなと。 周囲からの差別や扱いに屈せずに真っ直ぐに突き進む茅森の気高さに天晴れ。 皆に同じ対応して、獅子眈々と目…

君の名前の横顔

河野裕先生の最新作は子供、学生、大人が悩み苦しみながら、光を掴む物語。 世の中の正義を問う物語になっており、読んでいて現代の問題が浮かび上がり、かつ登場人物の清い考えに感銘を受ける。 正しさ、常識、そんなものは人それぞれで押し付け合わずに共…

魔王の帰還

面白かったです! 物語と絵がマッチしていて、良いコミカライズだと思いました。 傷を抱えた姉弟が過去を、今を乗り越えようと葛藤していくのは読んでいて夢中になりました。 タイトルの魔王というのはどういう意味か。 はっとさせられる意味が込められてい…

スモールワールズ

発売当初から気になってはいたが、手が出なかった。しかし、今作に入っている魔王の帰還という短編が漫画化されていて、読んでみたら面白かったので、今作に手が出せました。 なんだろう、読んでいてモヤモヤしたり、登場人物に感情移入して苦しんだりとわ…

世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する2

暗殺者・ルーグの標的である勇者・エポナが掘り下げられる。 なぜ、女神が勇者を殺せというのかが分かる。 どういう事情があるのかなと思ったら、力はあるが、力に振り回されて敵味方関係なく虐殺する勇者は危険過ぎる。 力と精神がチグハグしていて、心配…

トリカゴ

無戸籍者を題材にした社会派ミステリー。 無戸籍者がいるのは知っていたが、改めて知ることが出来て良かったです。当たり前の基準が変わってしまっている彼らにとって、戸籍を持っている人をどう感じているのか。学ばせてもらいました。 日々、当たり前に受…

ブラックサマーの殺人

ストーンサークルの殺人の続編。 今回もボリュームがある1冊だが、飽きさせないハラハラした展開をしていて、楽しく読めました。 ポーが昔捕まえた犯人が実は殺人をしていなかった疑惑があがり、次々とポーにとって悪夢のような状況が整えられていく。 前作…

2021年 10月 読んだ本とおすすめ作品 読書メーターから

10月の読んだ本をまとめました。 10月に読んだ本の中でおすすめの作品を紹介していきます。 新作の中では伊坂幸太郎先生の最新作・ペッパーズ・ゴーストはワクワクする題材で心躍る展開、線を僕は描くの作者の7.5グラムの奇跡はお仕事ものとして目の病気と向…

ブルーピリオド 3

八虎は成長しているが、まだ絵書きの入口だったか。 何かをモチーフにして描くのと、テーマを与えられて創造して描くのは違うのだろう。 落ち込む八虎だが、原点である森先輩や佐伯先生から立ち直るヒントを得て、生き生きして描くことに夢中になるのは良い…

ストーンサークルの殺人

分厚い1冊だが、読み進めていくうえで必要な分量だったのだなというくらい、情報が詰められているので満足度が高いです。 作品の中心にある連続殺人の方法や規則性はグロいものがありました。 その事件を起こすに至った経緯もモヤモヤするものでしたが、最…

冷たい密室と博士たち

すべてがFとなるよりもまっすぐ、本格ミステリーでした。 密室のトリックや犯人の動機がさっぱり分からなかったですが、どうやって事件が構築されたのか気になったので犀川先生にあっさり説明された時は唖然としました。 自分の中で気にも止めてなかった、…

2021年 12本目 映画 劇場版 ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリア

先日から公開されたSAOの映画を観てきました。 原作のプログレッシブの話と映画オリジナル要素を上手く絡めた、非常に良い物語になっていました。 キリトとアスナの出会いは原作にあったが、そこに至るまでにアスナがどんな過ごし方をしていたのかが分からな…