キャラ・ライト文芸
読み終えた後にタイトルの意味に気づく。悲しすぎる… 小説は発売された後に物語が変わるわけないのは分かり切っていることだけど、それでも否定したくなる結末は何度読んでも痛みが伴う。頼むから幸せでいて欲しかった。無邪気なマーヤには夢を叶えて欲しか…
五十嵐律人先生のストーリーテラーっぷりが発揮されていて最高でした。 設定、登場人物の目的がしっかりしてる分、結末にかけて高まる展開をしている。 冤罪である場合だと死者の幽霊が出てくる。死者が見える法律家の葛藤はいかにといったところ。起訴率を…
若者達の今を描いているからこそ、物語がより近くに感じる。それは、時事ネタを上手く絡めているから。登場人物の悩みや後悔が実際にあるんじゃないかと思ってしまう。そのリアリティが魅力です。各話の登場人物の心境の変化は読み手にもよく響いてくる。 も…
スピンオフが出る嬉しさよ! 最高です。 前作の汝、星のごとくが好きだった人は見逃し厳禁なエピソードばかり。櫂、暁海の周りにいた人達の葛藤、想いに釘付けにされました。 また、暁海の人生の先の方まで描いてくれて感謝しかありません。 物語であり、人…
続編が生まれるということで読み返しました。読んでいて、こうなるんだよなぁ、こんな感じかぁ、と浸りながら読みました。 暁海と櫂の2人が育ち場所に振り回され、惹かれあって、気持ちが噛み合わなくなって、離れて、様々な波乱を受けても互いを忘れられな…
素敵な作りで大好きな古典部シリーズ愛蔵版。 内容分かってるのに、1話1話噛み締めるように読んでいたくなる素晴らしさ。 青春の光りと影、それを描かれている。文化祭では期待、才能。祭りでは想いと言葉。奉太郎、千反田、伊原、里志、それぞれの胸に秘め…
表紙が魅力的で、アンニュイな2人が素敵。 探偵とワトソンが高校生なのにハードボイルドの雰囲気が漂っていて、良い。味のある会話や遠回りな比喩、掴みどころのない主人公・戸川が魅力的でした。 一つの自殺事件を追っていくうちに見えてくる景色が変わって…
楽しみにしていましたが、想像以上に登場人物達が人生を賭けていて夢中になりました。 病気、身体的ハンデ、家庭の事情、様々な困難に抗う人達がチェスを通して生き様を見せてくれて勇気が貰える1冊になってました。 それぞれの苦しみが描かれていて胸が痛む…
表紙、タイトルから面白そうな気配がぷんぷんで読みました。 非常に魅力的なミステリ作品で、今後の作品が楽しみな作家さんですね。密室の不可解さ、序盤から暗示される怪しげな風習、真相が気になる謎でした。 また、登場する探偵が漫画家、助手が声優、2人…
人に仕事を教えることは難しい。様々な性格、向き不向きがあるから型通りの教えになってはならない。 今作は能力があるが、燻っている刑事の背中を押すコーチ的存在である向井が非常に魅力的。意味深で掴みどころがないが教えられた人からすると救いの声にな…
李奈が売れっ子作家みたいな扱いを受けて戸惑っている様子は現実でもあるのかなと想像してしまう。だけど李奈が地に足つけた歩みをしているから揺らぐ心配がないのは非常に安心で、応援したくなります。地道にめげずに小説と向き合っていたから、簡単に天狗…
あぁ、心に届く台詞が散りばめられていて、読み終わるのが非常に惜しい気持ちになりました。好きな仕事で誇りを持っていた会社の事業が撤退することになり、途方にくれる。 人は立ち止まる機会がないと、いつまでも日常は続くものだと思ってしまうものなのか…
虫の声なき声を拾うためならなんでもする法医昆虫学者の赤堀の無鉄砲さと思いやりが魅力的でした。 難事件を解く鍵は昆虫学にあり。警察の上層部の思いつきで捜査に法医昆虫学者加えることに。刑事・岩楯は最初は困惑するが、捜査が進むにつれて新たな視点か…
たまに読み返したくなる小説です。 読むのが3度目ですが、それでも作中の言葉や登場人物の揺らぎを噛み締めたくなります。 何度読んでも良いものは良い。 余命間近の人達とフランクな死神の問答や関わり方が魅力的です。ユニクロの服着たり、携帯料金払う死…
スポーツ小説でエリートランナーの引退後を描くのは珍しいかな。 山城が現役引退して、実家で働いているところにコーチの依頼が来るという流れ。燻っているランナーの尻叩きとして期待されるわけだが、まぁ初めから引き受けないよな笑 浦達が色々画策してい…
ヒートの続き。甲本とのデッドヒートを制した山城に待っていたのは故障だった。天才、才能溢れる彼だからこそ無縁だったリハビリや調整に苦労するのは無理ない。走れて当たり前だった生活から一変して、故障に苛まれ苦悩する様子は歯痒い。そんな時に所属チ…
厚い一冊だが、マラソンが好きな人は是非読んで欲しいと思う作品でした。 世界最高記録を作るためのマラソン大会を開く。そのためには手段を選ばないのはいっそ清々しさがある。まさか、記録を出してもらうために走りやすい道や風除け、タイム表示など過保護…
誘拐作は様々あるが、今作は優しさと厳しさの塩梅が上手かったです。だから最後まで真相を知りたくて仕方なかった。 優しい誘拐を描いていて、ある程度先が読めてしまうのが難点だが誘拐犯と虐待されていた人質の関係は安らぎの時間だったのは良かったです。…
気になる作品だったので、献本で読ませて頂き助かりました。 題材が思考実験、ミステリ、オカルトとあって、各話の謎の始まりから解決まで興味が尽きることがなかった。 マクスウェルの悪魔、シュレディンガーの猫、中国語の部屋、スワンプマン、などなど小…
あらすじから覚悟していたが、容赦無く人の悪性を暴いていました。 読む前はちょっと薄いなと思っていたが、とんでもない。これ以上暴かれたら身が保たないですよ… 読んでいて言葉に斬りつけられているみたいだった。 表題作から始まる短編集。その表題作か…
読み終えて、タイトルの意味に胸打たれる。最後に気付かされるのがまた良い。 女性であること、病気であること、様々な困難にあっても棋士として諦めない不屈な女性の愛の物語でした。壁に当たっても目標に向かって足を止めない者達の生き様が見事でした。 …
久しぶりに物語に入り過ぎて、気持ちや感情が乱れてしまいました。 人の死については避けられないけど、出来るだけ目を逸らしていたくなる。しかし、今作はしっかり死に近づいている人の気持ち、関係者の関わり方などを描いているので、向き合わなければとい…
ワシントン・ポーシリーズ最高。 毎回、最後まで読んで事件の真相に唸るばかり。 前巻の真相に痛めつけられたが、今回はわりとユーモア多めで楽しめました。ポーとティリーのわき道にそれる会話はずっと追っていたい気分になります。タッグ感に磨きがかかっ…
題材、テーマが興味深くて、物語にうまく溶け込んでいたので説教臭くなっていないのが素晴らしい。 人を傷つけない表現はない。それが現実。それでも創作者として矜持を持って、表現をしていく拝島先生の決意は希望があって良かったです。 現実でも起こり得…
帯と紹介に惹かれて読みました。 貧富の差がある社会だからこそ、読まれるべき物語でした。 貧しくても、未来に希望を抱いていた2人の絆の行く末に不安が膨らみ始めてから結末に至るまでの流れがスピーディーで息をつく暇がなかった。 2人で一つの目標に向か…
阿津川先生の新作はユーモア溢れる青春ミステリ。 読み終えたら、あぁ!と繋がりに気づき、満足して読み終えられる短編集でした。馬鹿なことに夢中になれる高校生の時間は貴重なものです。各話の謎に至るまでの伏線がしっかり張られていて、読者としても考え…
brother編ということで、男兄弟の絆を描いていた。親がいない環境だからこその話だったかな。良い。 うお、凄い。sister編からのbrother編になって、違和感やしこりが吹き飛んだ。見方が変わると出来事の違う方面を炙り出せるのか。登場人物が入り乱れて少し…
挑戦的な作品のようですが、単純に1冊としてもまとまっている。 事件を複数の視点で見たら真相が変わって見えるという試みは興味深くて読みました。そこを抜きにしても楽しめると思いました。 各話のタイトルに行き着く過程が秀逸で、爽やかな読後感です。 …
岡崎琢磨先生の最新作は最高傑作でした。 読み応えあり、驚きあり、反転あり、読む前から種を明かそうと注意してましたが無理でしたー 作中作品というのを忘れてしまいそうになるくらい練られている。だから終盤に明かされる反転の際の細やかな伏線配置に丁…
戦時中の物語ということで骨太な作品になっていました。戦争を知らない自分からすると未知な世界だが、当時の人からすると当たり前だったんだろう。文章を通じて戦時中に生きていた人達の切実な想いが伝わってきました。 戦争という荒波に巻き込まれると人々…