羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

あなたが眠るまでの物語

あなたが眠るまでの物語 (メディアワークス文庫)

 

久しぶりに物語に入り過ぎて、気持ちや感情が乱れてしまいました。

人の死については避けられないけど、出来るだけ目を逸らしていたくなる。しかし、今作はしっかり死に近づいている人の気持ち、関係者の関わり方などを描いているので、向き合わなければという気持ちになりました。

凄く心に訴えかけてくるメッセージがあって、忘れられない1冊になりました。人の死というのは避けられないもの。本人と家族との距離感や価値観、生死の捉え方は違うということ。立場や考えはそれぞれある。それをすり合わせていく難しさを感じました。

 

読んでいて、じーんと目頭が熱くなりました。長く生きるというのは簡単ではない。

 

 

余命1ヶ月。天国に近いこの場所で、死を待つ人に、私ができること。

天国に近いこの場所は、今日も命のにおいで満ちていた――。

緩和ケア病棟で看護師をする倉田さんの仕事は、余命宣告をうけた患者さんのケアをし、その最期の時まで寄り添うこと。チームカンファレンス、介助、エンゼルケア。ときに複雑な事情を抱える患者と家族に向き合いながら、いくつもの死を見送ってきた。
この静かな病棟で、ある日起きた幽霊騒ぎ。出所不明の噂は、患者、主治医、新人看護師、配達中の売店スタッフまでを巻き込んで、棟内に波紋を広げていき……。誰にも等しく訪れる〈最後の夜〉を描いた、号泣必至の感動作。