羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

どこよりも遠い場所にいる君へ

心揺さぶられる青春でした。 素晴らしい青春SF小説。家族から逃げる様に島に移った主人公が過去から飛んできた少女と出会うことで、互いに影響を与えていき、生きる希望を見出だしていく姿に胸を打たれます。 生きていて、どうしようもない困難に出会ったら…

ゲームセットにはまだ早い

数年ぶりに読み返しましたが、熱くなりました。 社会人野球、クラブチームにスポットを当てていて、様々な立場の人達の野球にかける想いが詰まっていて胸が熱くなります!どの話も登場人物が諦めようとしていたところからの奮起が見られて、結末まで引き寄せ…

探偵と家族

面白かったです。 軽妙な語りと独特の雰囲気の比喩表現が冴えていて、言葉を頭で飲み込むのが楽しかったです。 癖あり、訳ありの探偵家族が様々な珍事件に首を突っ込み解決していく。その様子を追っているのが楽しくて仕方ない。 夫婦は推理や行動が手慣れて…

2022年12月購入予定&注目作品

12月も読みたい作品がたくさん。 読むか読まないか、しっかり見極めないと積本が増えてしまう。 まぁ、今に始まったことではないが。 ・注目の新作 腕を失くした璃々栖 ~明治悪魔祓師異譚~ 僕らは『読み』を間違える 君の地球が平らになりますように 11文…

神さまがまちガえる(2)

2巻だから、世界観の説明がなくスルスル話が展開していて、本領発揮といったところか。 バグという未知の現象を受け入れながら、楽しく過ごす登場人物達はタフだなぁ。 障害が生まれても、嘆くのではなく、利用して楽しく過ごすというしなやかな生き方にワ…

後宮の烏

表紙に惹かれて、以前から気になってました。 アニメ観て、原作が気になったので読んでみましたが、面白かったです。中華ファンタジーはあまり読まないですが、今作は語りが柔らかで読みやすかったです。 また、どの話も人情に訴えかけてくるものがあり、各…

早朝始発の殺風景 上下巻 コミカライズ

青崎有吾先生原作のコミカライズ。 絵柄が良く、漫画化されることで登場人物がより好きになる魅力が詰まっていました。 青春ミステリとしての作品の良さを上手く表現しているなと嬉しいコミカライズです。 原作が好きな人は満足感を得られるのではないだろう…

刑罰

タイトル、表紙に惹かれて読みましたが、中々パンチの効いた短編集でした。必要な部分のみ描いて、不要な部分は削いでいるような文章で、切れ味鋭い短編ばかりでした。 また、ふわっとしたまま、そのまま終わる話もあったりと作者の発想の良さが伝わってくる…

ある男

映画を観てから読んだので、違いを意識しすぎたかもしれない。それだけ、映画が素晴らし過ぎた。 戸籍を変えてでも人生を生きたいと思った、ある男とある男を追った城戸の人生というのが重く響いてきます。 ある男と結婚した里枝と子供が、真実は何なのか不…

そして、よみがえる世界。

あらすじから好きそうだったが、やはり読んで良かったです。 序盤から中盤にかけて物足りない感じがありました。説明が多くて、見えない部分があるのが理由かな。 しかし、中盤以降の謎の種明かしと緊迫した展開にはのめり込めました。 前半の謎だった部分が…

みちびきの変奏曲

素晴らしい物語でした。 読み終えた後に込み上げてくる幸福感が堪りません! 親切は回っていく。どこまでも。 人の優しさや善良さがどれだけ貴重なものか、よく分かる物語でした。 清藤真空さんが死に際に残したメッセージが鍵になっていて、様々な人に優し…

11月11日〜11月20日に読んだ本とおすすめ作品

読書が捗る週でした。 デビュー作で衝撃的だった作品の系列の竜の姫ブリュンヒルドは良かったです。 嘘つきなふたり、思い出リバイバルは単行本で、読みがいがある作品でした。他にも面白かった作品は多数ありました。 ・おすすめ作品 竜の姫ブリュンヒルド …

七日の夜を抜け出して

青春、オカルト、ミステリ、バトル、様々な要素が詰まっていました。盛りだくさんのようですが、青春が濃かったのは嬉しかったです。 それぞれ事情を持った4人が学校に閉じ込められて、学校から脱出するために怪談を解いていくことに。 次第に仲が深まり、背…

恋人以上のことを、彼女じゃない君と。

社会人の逃避型ラブコメ。仕事に、会社に圧迫されている人はわかるわかると共感することばかり。 ゆるゆるの空気が漂いながらも要所でピリッとなるのは良いですね。 元カップルが再会して、縛られない関係を結び、ゆったりと過ごす日々は貴重な時間でした。…

白野真澄はしょうがない

素晴らしい短編集でした。 各話の語り手の名前が白野真澄で統一するというのは斬新でした。同姓同名の赤の他人で性別、年齢、悩みなど、持っているものが違うのに不思議と親近感が湧いてしまう。 名前というのは大切なものだが、自分では選べない。名前に左…

悲痛伝

いや、続くのか… 厚いわりにすらすら読める、空対魔法少女達の戦い?は滑稽なようで呆気なく進んでいく。なぜ?な展開が続き、空が生き残っているのが綱渡りの様に感じました。 拷問の際に寝てたのは笑いました。 生き残るためにあらゆる手段を取る空は嫌い…

バイオスフィア不動産

周藤先生の作品はデビュー作で心掴まれて以降読むようにしてました。 今作はラノベではなく、SF作品で、今までとは違う雰囲気ではありますが、登場人物の関係性や感情の変化を描くのが上手い。作品の世界観に浸れて良いです。 最初はどう読めばと悩みました…

2022年17本目映画ある男

映画で予告を観て、ずっと気になっていたある男を観に行きました。 ようやくという気持ちでしたから、期待していましたが、想像以上に作り込まれている物語で、エンドロール後も頭の中で様々な感情が掻き乱してきました。 愛していた夫が知らない男だった。 …

アストレア・レコード2 正義失墜 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 英雄譚

前巻の尾を引いていて、暗い雰囲気からの始まり。 圧倒的な悪の前では、正義は役に立たないのか問われる展開に。 民衆達の冒険者への憎悪は誘導されている感があり、歯痒い。 冒険者も救おうと動くが、悪の悪知恵に翻弄されているので言い返せない。 正義と…

チェンソーマン

不遇な扱いを受けて、地獄みたいな生活をしていたデンジとポチタ。泥をすするかの様な恵まれないところから抜け出せるような、微かな希望を抱いていた非日常みたいな生活から、地獄に落ちる出来事が起きて、地獄に落ちる。 そこから始まるデンジの物語。 マ…

2022年11月1日〜11月10日に読んだ本とおすすめ作品

本を読むペースが上がってきて、順調でした。 ミステリ作品では米澤穂信先生、青崎有吾先生の新刊である、栞と嘘の季節とノッキンオン・ロックドドア2は読み応えがありました。登場人物の変化と謎が絡み合っていておすすめです。 光のとこにいてね、タスキ…

負けヒロインが多すぎる!@comic(1)

素晴らしいコミカライズ。 絵が上手くて、原作のヒロイン達を落とし込めているなと思いました。 八奈見のポンコツ姿と可愛いところ、書き分けているので飽きずに読めました。 温水の顔が様々なバリエーションがあって、愉快でした。 続きも期待出来るコミカ…

デモンズ・クレスト1 現実∽侵食

川原礫先生の最新作。SAOを書いた作者だから描けるデスゲーム作品になっているなと。登場人物が小学生だからこそ、パニックになるし仲違いも起きる。そして必死さ、緊迫感を生み出していて、楽しみなシリーズになりそうです。 序盤は少し退屈かなと思いまし…

思い出リバイバル

心がほぐされるような読後感でした。 思い出というのは美化しがちだけど、冷静に俯瞰して見ると違う感覚になりますね。 今作は思い出を再び見たいと願う、切実な人達に一度だけ過去の思い出の場面に戻すことが出来る映人の元に集まる人を描く短編集です。 最…

2022年16本目映画すずめの戸締り

新海誠さんの新作映画となれば観るしかないと思ってることに驚きつつも観に行きました。 母と娘、祖父と息子、血の繋がりのない関係と家業などの悩みを抱えていた、主人公・鈴芽と物語のキーパーソンである草太が世を乱す存在を封じ込めていくというもの。 …

嘘つきなふたり

表紙、タイトル、あらすじ、帯から、ひしひしと感じるものがあり楽しみにしてましたが、その通り、いや想像以上に良かった。 雰囲気的に武田綾乃先生の黒小説!と思いきや、最後まで白い部分もあり、新境地を迎えた作品だったのかなと。 ミステリ要素があり…

竜の姫ブリュンヒルド

衝撃のデビューを飾った竜殺しのブリュンヒルドの前日譚にあたる物語。続編ではなく、世界観をより掘り下げたのは英断でした。 あれだけの作品を書いてしまったら、書くのに迷いが生まれてもおかしくはないな。 ただ、それでも今作を書いて下さってありがた…

ノッキンオン・ロックドドア2

素晴らしいシリーズですね! 1巻を読み返して、今巻を読んだら、1作目よりもグッとキャラクターに魅力が増して、過去も明かされて、より今作品の虜になりました。 前巻で明かされなかった探偵2人と刑事と容疑者の大学時代のエピソードが描かれていて、そん…

ノッキンオン・ロックドドア

続巻が文庫化するので再読しました。 初めて読んだときよりもミステリ作品として、より深く読み込めました。 バディモノで、動機、シチュエーション、得意推理が違う探偵2人が様々な事件を解いていく。互いに分かりあって、信頼している関係性が良い。軽口や…

薫る花は凛と咲く(5)

毎巻良いのだが、今巻も無事冒頭から涙が滲んできてしまいました。 凛太郎が薫子の為に頑張って誕生日ケーキを作って、渡して、どう思われるのか不安でハラハラするが、薫子の言葉で安心する。読んでるこちらも嬉しくなりました。 凛太郎の気持ちが薫子にき…