文春文庫
分厚い作品だったので覚悟していたが、重たい内容だった。 宗教が絡むとややこしくなるが、今作もそう。子供はいつも親、大人に振り回されるのだなと。翻弄されて、苦しんだ少女の時が再び動き出す様子までをじっくり追っていって、読むのを辞められなかった…
うわぁ。騙された。こんな風に複雑な構造になっているとは… 社会的問題を孕んだシリーズで、虐待の問題を取り上げていました。虐待を受けていた子供はそれが当たり前だから虐待だと思わないのは辛い。虐待を受けているという認識がないと、助けてを言えない…
映像版を観て、内容を知っていても衝撃を受ける最後。 気になっている人のために、徹底的に警察を欺いていく姿勢に胸が痛む。 自身を犠牲にしても貫き通す石神の姿を否定出来ない。 頭がズシンと重たくなる真相でした。読者と警察を欺いた石神の頭脳は見事で…
映画を観てから読んだので、違いを意識しすぎたかもしれない。それだけ、映画が素晴らし過ぎた。 戸籍を変えてでも人生を生きたいと思った、ある男とある男を追った城戸の人生というのが重く響いてきます。 ある男と結婚した里枝と子供が、真実は何なのか不…
映画観てから読んだので、結末を知っていたが、悪質な犯罪者に苦しめられた人達の必死な願いは簡単には切り捨てられるものではないなと。 映画と比べると場面転換が急でまとまりが悪いかなと思いましたが、様々な登場人物の掘り下げがされているので読めて良…
社会人の組織に縛られ、振り回される者達の歯痒さを描くのが上手い。 規模が大きい事故を追うことになった、地元新聞会社の中で起こる様々な葛藤には、暗い気持ちになりますが追いたくなる魅力がありました。 人の底を覗く危うさが逆に惹きつけてきます。 …
前作がイマイチだった記憶があるが、今回は長編で、1冊丸々調査に使ったのが良かったのかもしれない。 千葉さんの独特な雰囲気、異様な知識が登場人物を振り回すのが痛快でした。 娘を殺された夫婦が復讐を企てるもので、娘を殺した犯人がまた姑息で悪党。…
警察小説で、事件というよりも警察内のいざこざを描いていて、警察官の苦悩がより感じられました。 事件というよりも人事、密告、無断欠勤など地味なふうに思えるが、真相を辿っていくたびに謎が深まると共に真相にたどり着いた時に浮かび上がってくる苦い…
読み終えて、ずしんと身体が重たくなります。 ページ数は多くはないが、収録されている2篇のそれぞれの心理描写や自分と他者との違う考えをじっくりと描いていて、最後に突きつけられる考えの矛盾さや思考の穴、傲慢さが重たくのしかかってくる構成が効いて…
手話が必要な人達を取り巻く環境がシビアに描かれていたので、読むと知らない知識がどんどん出てくるが、それはろう者を知る上では欠かせないことだと感じて、読んでいきました。 ろう者、聴者、障害のあるなしや障害の種類によって生き方が異なるのが切な…
前から気にはなっていたが、重そうなタイトルだなと思ってたので読めませんでした。 だが、社会派ミステリも読まねばと思い、読みました。 正直、タイトル通りの結末にはかなり胸が締め付けられました。 貧困に苦しめられる少女・ネガとのぞみの2人が手を取…
続編。 今回は緋色さんが自ら動いて事件の真相を突き詰めていたのは自分の過去から来ることなのだろうか。 真実が見えない中でもあっさりと真実に迫るヒントを掴む緋色さんの鋭さよ。 そのかわり、今回は聡が緋色さんの推理に振り回されるばかりで、残念で…
大山誠一郎先生の作品で暫定で1番好きかも知れない。 いわゆる外しコースとも言える赤い博物館の館長・緋色と左遷された聡が共に未解決事件に迫っていく短編集。 凄い!全話面白かった。 長編より短編の方がまとまりやミステリとしての切れ味が鋭い感じがす…
密室のミステリーが読みたくなったので読みましたが、非常に満足度が高い短編集でした。 全てが面白い。 どの話も密室の事件で一貫していて、短編としての切れ味が冴え渡っているように思う。 ただ、ちょっと無理があるかな?という部分があっても、気にさ…
粒揃いのアンソロジーで1話1話読み心地が違くて、作家性を良く感じられる短編でした。 参加している作家さん達が有名な人ばかりで、読む前から期待が持てましたが、その通りに各話面白い捻り方をしているミステリーで惹きつけられます。 中でも好きだったの…
単行本読んでいて2読目だが面白い。 図書委員の堀川と松倉が高校生らしくはしゃいだり無邪気さがありながらも苦い想いがする事件と向き合っていくミステリー。 知り合いからお願いを受けたり、2人の日常の延長からふと謎解きをすることになる短編集。 最初…
本を売りたいというのはどの作家も同じくらい思ってるし、編集者や書店の店員など様々な人も願っている。ただ現実はそんな甘くない。この本は売れない本ではなく、売れる本を作るために出版に関わる人や映像に関わる人達など様々な立場のスペシャリスト達の…
波よ聞いてくれというラジオをメインにした作品にハマっていたら、本屋で推されている本作を見つけました。タイミングが良すぎて怖いくらいですが、即読みました。素晴らしかったです。心と顔に傷を負い、下を向いて生きていた主人公・小松夏海がひょっとし…
像が街中に出るという大事件を丸々一冊かけて描かれている。象という生き物の強さや性分は読んでいて、ためになりました。動物園から出た根本的な理由は好きでした。事件の背景は現実味がなく、あまり興味を引かなかったのは残念。ただ、読み終えてみると悪…
(あらすじ)フクロモモンガが逃げたと思しき古いアパートの部屋には、ミイラ化した死体が。いったい誰が何の目的で死体のある部屋でモモンガの世話を?謎の大型生物が山の集落に出現。「怪物」を閉じ込めたという廃屋はもぬけのからだった。キリン飼育員・僕(…
タイトル通りアルパカが迷ってました。(あらすじ)「ちょっとここで、アルパカ拾いまして」―楓ケ丘動物園のアイドル飼育員・七森さんの友人が失踪した。行方を探る鍵はアルパカ?ハムスター?それとも…飼育員仲間の桃くん、ツンデレ獣医の鴇先生、アイドル飼育…
楓ヶ丘動物園シリーズ第2巻またも事件発生し、桃が巻き込まれていく。キャラが生き生きと事件に立ち向かっていく。(あらすじ)県民マラソン大会のコースを駆け抜けてくるのは「ダチョウだって?」―そして発見された焼死体。捕獲したダチョウと被害者とをつなぐ…
動物園を舞台に不思議な事件が巻き起こるミステリー。珍しい題材なので、物珍しさで読み始めたのですが、一つ一つ話が進んでいくうちに作品の持つ魅力に惹かれていきました。(あらすじ)「イリエワニ一頭を頂戴しました。怪盗ソロモン」--凶暴なクロコダイル…
米澤穂信が書く、バトルロイヤル。いや、バトルロイヤルじゃないか。なんか、最近じゃ見かけない、以前に見かけられた作風で懐かしさを感じた。多額の金額のアルバイトは怪しいけど、一定数は引き寄せられるよな。美味しい話の裏には何かあると言うけど、そ…
ワーキング・ホリデー (文春文庫) 作者: 坂木司 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2010/01/08 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 21回 この商品を含むブログ (31件) を見る ウィンター・ホリデー (文春文庫) 作者: 坂木司 出版社/メーカー: 文藝春秋 発…
君と放課後リスタート (文春文庫 せ 13-1)作者: 瀬川コウ出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2018/10/06メディア: 文庫この商品を含むブログを見る (内容)クラス全員、記憶喪失!? ある高校で、「理想の三組」と呼ばれた一クラス全員が突然記憶喪失となる事態…