羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

記憶の中の誘拐 赤い博物館

記憶の中の誘拐 赤い博物館 (文春文庫 お 68-3)

 

続編。

今回は緋色さんが自ら動いて事件の真相を突き詰めていたのは自分の過去から来ることなのだろうか。

真実が見えない中でもあっさりと真実に迫るヒントを掴む緋色さんの鋭さよ。

そのかわり、今回は聡が緋色さんの推理に振り回されるばかりで、残念でした笑

 

どの短編も正解のようなところにミスリードするのが非常に巧くて、真相が明かされる時に驚かされると同時に作者にしてやられたという気持ちにさせられます。

短編は色々制限があるだろうが、その中でも思い切って謎を作っていて、真相に至るまで振り回してくる力強さを感じます。

 

時効の事件の真相を明かしていくのは、事件の被害者はもちろん、加害者の抱え込んだ罪悪感を拭うためでもあるんだろう。

みんながみんな犯罪をしようと思ってしてるわけではない。

 

罪を罪だと言われないのは辛いことだ。

緋色さんのこれからの活躍も楽しみにしたいです。

 

 

赤い博物館こと犯罪資料館に勤める緋色冴子が、過去の事件の遺留品や資料を元に、未解決事件に挑むシリーズ第二弾。文庫オリジナル。