羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

償いの雪が降る

償いの雪が降る (創元推理文庫)

 

続編の新刊が発売されるそうで、気になってたら今作が先というので読みました。

想像以上にタイトルが胸を打つ展開でした。

 

主人公・ジョーか殺人の罪を負った罪人・カールの話を聞き、伝記を書くことに。

カールの様子や関係者の話を聞いていくうちに不審な点が浮かび上がってきて、カールが本当に罪を犯したのか分からなくなる。

本当にカールが殺人を犯したのか。

ジョーは三十数年前の事件を掘り起こしていくうちにカールの冤罪を晴らすために奔走していく。

証拠を掴むために危ない道を渡るジョーにハラハラします。

真相を突き止めていく調査が魅力的でした。たどり着いた結末に救いが溢れていて良かった。

本当に良かったとホッとしました。

 

ジョーは事件の調査だけでなく、自身の家族の問題やお隣の悩みにも向き合っていて、大変だけど投げ出さない姿勢が良くて、魅力的な主人公でした。

 

続編でジョーがどんな成長を遂げているのか楽しみです。

 

素晴らしいミステリーであると共にジョーの人生逆転劇でした。

 

授業で身近な年長者の伝記を書くことになった大学生のジョーは、訪れた介護施設で、末期がん患者のカールを紹介される。カールは三十数年前に少女暴行殺人で有罪となった男で、仮釈放され施設で最後の時を過ごしていた。カールは臨終の供述をしたいとインタビューに応じる。話を聴いてジョーは事件に疑問を抱き、真相を探り始めるが…。バリー賞など三冠の鮮烈なデビュー作!