ミステリー
あらすじにある通り、ミステリのショーケースのような1冊でした。久しぶりにミステリ作品で気持ちが高まりました。 あの手この手で、謎解きの快感が伝わってきました。 ミステリ好き必読の短編集になっていました。様々なバリエーションで読者を振り回してき…
タイトルが大袈裟ではなくて、そのままの通りだったのは驚きました。 序盤から終盤まで死んだミステリ作家の原稿を探していて、その過程で知る作家の人間性になんだかモヤモヤする展開だなと思いましたが。最後の真相判明でガラッと変わりました。 そう来る…
続編が出たということはシリーズ化かな。嬉しい限りです。 蓮くんの成長を追ってるの楽しいです。段階を追って出来る事が増えていくのは親にとって嬉しいですよね。育児の困難は多々あるが、赤ん坊の笑顔を見れば吹き飛ぶのは分かる。 育児を交えながら、密…
やはり五十嵐律人先生の作品は素晴らしいなと。テーマがあり、それを生かす舞台を整えるのが非常に上手い。法律を遵守するあまり、法律でなければ何やっても良いという歪な街を舞台にしていて、惹き込まれる導入でした。 今回は犯罪加害者、被害者、そして傍…
鮎川哲也賞最優秀受賞作 去年は受賞作が無かったので、今年はあって良かったです。 花と人、おろそかになってしまいそうな事を見つめ直していき、人の関係を前に進めていく優しい物語でした。 人情味ある物語でありながらも、ミステリとして気になるようなシ…
見たて殺人でも犯人を誘導していくエラリイの動きは見事でした。犯人に至るまでの思考や調査から、よく犯人を見つけられるなと。今回はなんだが、ふわっとした感じがありましたが、犯人の動機に関してはそう繋がるのかという驚きとそこまでするかという気持…
落ち込むエラリイにダメ出しかけるような、そんな巻でありながらも再び前に向けるようになる重要なエピソードだった。 連続殺人犯と対する警察官達。そこに協力するエラリイ。探偵としてのあり方に迷いがあるエラリイにとってはまたしても…な展開でしたが、…
ページ数は少ないが、シチュエーションに長けているので最後まで惹きつけられるエピソードだった。 掟上今日子のパリ旅行。ただではいかないのがわかっていたが、今日子さんが探偵ではなく、怪盗に!? 記憶を失うことや身体に書いた文字を信じることを利用…
辻堂先生の持ち味である、人間の繋がりの良さがあり、かつミステリ要素が濃くて非常に満足度が高いです。 非常に読みやすくて、お悩み解決後の真相に驚かされました。区役所のカウンセラーに相談する人達の話さなかったことを推理して、組み立てるのが凄く良…
前から気になっていたが、ようやく読めました。 小学校を舞台にした日常の謎。制限がかかりそうな設定ですが、上手く謎を作っていて、真相が気になる短編集でした。 子供や親、教師、教室、学校というのは様々な悩みや問題が生まれる場所だなと。 悩む人に寄…
米澤穂信先生を知るきっかけとなった古典部シリーズ。それが単行本として、新規小説を加えて発売されるなんて嬉し過ぎます。 素晴らしい1冊になっていました。 氷菓、愚者のエンドロール、プールサイドにて、クリスマスは箱の中、受賞のことば、エッセイ、古…
毎回のことだけど、ライツヴィルシリーズ作品、どれも読み終えてからの衝撃が重たい。 張り巡らされた伏線を回収して、犯人の真意まで追っていると、ドッと来ます。 馬鹿正直に読んでいたから、真相にたどり着いた時にもっと注意して、考えていればと思いま…
今回も事件に巻き込まれる李奈。もはやスムーズ過ぎて、驚かない。 太宰治がサブタイトルに入ってる段階で薄々感じていたが、暗い話に。偉大な作家の業を現実に落とし込んだら、こうなるかといった結末。様々な謎が繋がって、明かされる結末にやるせない気持…
短編集なので、サクサク読めました。 序盤は軽めの話で、中盤は考えてしまう話、終盤は心が重たくなるような話。 バリエーションの豊富が感じられる1冊。 琴子のあり方も自由で、だから様々な事件に対応出来るのだなと。 なんだかんだで話を聞く九郎。 しか…
映像版を観て、内容を知っていても衝撃を受ける最後。 気になっている人のために、徹底的に警察を欺いていく姿勢に胸が痛む。 自身を犠牲にしても貫き通す石神の姿を否定出来ない。 頭がズシンと重たくなる真相でした。読者と警察を欺いた石神の頭脳は見事で…
全話シリアスで、ユーモアが少なめだったのは残念ですが、その分重みのある物語になっていました。謎の背景にある、人の願いには切なさが多分に含まれていました。 残酷な現実と向き合っていく、人の姿勢が窺える。 魞沢も控えめな態度でしたが、彼の優しさ…
蝉かえるが文庫化されたので、読み返しましたが、何度読んでも面白い。 主人公・魞沢のユーモア溢れる語り口から、切ない事件の真相に向かう流れがスムーズ。 だから、感情の流れをよく追いかけられる。事件関係者の内なる想いまで拾っているからこそ、読後…
素晴らしい最終巻。 坂木と鳥井の関係の不安定さ、危うさについて考える。 読み終えて、タイトルと表紙を見ると、繋がっているんだなと感じました。 人間だって、動物。動物だって、自然に生きている。悩み、苦しみながらも生き方を見つけていく。 坂木と鳥…
シリーズ2巻目。 1巻に出てきた人達も出てきつつ、坂木の同僚や様々な人が新しく登場してくる。 何度も出てきて、坂木と鳥井に絡んでくる人達の優しさは良い。生活に根付いているところにシリーズモノの良さが感じられます。 今回も未来に、現状に迷える人達…
坂木司先生のデビュー作。 自分は今作を読んで、坂木司先生の作品の虜となりました。 改めて読み返しても、人の負の感情と向き合っていく強さを与えられる作品ですね。坂木と鳥井の2人が一緒にいることもそうだし、登場する人達にも抱えているものがある。 …
災厄の町が非常に良かったので期待値が上がってましたが、今作も見事なミステリでした。 最後の最後まで気が抜けない物語でした。 今作は過去の状況証拠が揃っていて、裁かれた事件を掘り起こしていき、真実へ辿っていくというもの。状況を追っていき、事件…
凄く良かった。 終末、廃退した空気、淡々と進む展開。非常に好みのシチュエーションで、楽しんで読めました。滅びるのが決まった世界で、死を待つのみの状況で起きる殺人。興味が湧かないわけがない。 事件を追っていった末の結末は苦さがありつつも明るい…
東大出身作家を集めたアンソロジーというのは珍しいですね。 個人的に市川先生、辻堂先生作品が好きなので、読みました。 2作家はもちろんですが、どの短編も粒揃いで面白かったです。 読んだ後スッキリする話やイヤミス的な締めをする話もあったりと、揺さ…
意外にもと言ったら失礼ですが、楽しく読めました。 社会学に興味があり、読んでみたが面白かったです。 大学生というのがまた良い。大人でも子供でもない年頃の揺れ動く心境と行動を学問と結びつけると納得がいきます。 主人公のえみるが弱さを持っていても…
素晴らしい! 高校生の男女の仲だったり、友情を描きながらもミステリとして強いフックを用意しているのは青春ミステリとして文句なし。 というか、最初から最後まで作品に浸れた感じがしました。 惨劇から程遠い日常から徐々に惨劇に近づいていく様子に胸が…
2022年下半期に読んだおすすめのミステリー作品を紹介します。 紹介作はどれも読み返したくなる作品です。 ・おすすめのミステリー作品 幻告 優等生は探偵に向かない 録音された誘拐 雪と心臓 エフィラは泳ぎ出せない 方舟 秘境駅のクローズド・サークル inv…
とても癒される小説でした。 動物の愛らしさはなぜ想像しやすいのか。 元警察犬で大型犬なのに、臆病でズルい一面を持っていながらも愛嬌溢れるシャルロットにメロメロです。犬にまつわる問題をミステリ風味に仕上げていて、読んでいて飽きずに最後まで読め…
サクサク人の裏に触っていく短編集でした。 人の悪となる根幹に触れるようで、読み進めるのが止められない。犯人を切り捨てたり、拾ったり、読み味が独特で、短編集として旨みがあるなと。 話ごとにばらつきがあるのはデビュー作だから仕方ないのかなと。そ…
初エラリイ・クイーン作品でしたが、大満足のミステリでした。 エラリイ・クイーンというのは登場人物の探偵の名前からなのか。 クイーンは食えない奴で飄々と過ごしつつ、要所で頭脳を発揮していて、周りを動かせる能力がある。 会話や言葉のチョイスも良い…
最近後宮の物語に惹かれていたので、実績ある作家の作品ということで楽しみにしていました。 割とある設定だが、じわじわと伝わってくる主人公・玉蘭の焦燥感と成長に読んでいて、釘付けにされました。 後宮で起こる毒にまつわる事件と遭遇し、成長していく…