羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

サクラサク、サクラチル

サクラサク、サクラチル

辻堂先生の作品は構成と登場人物の掘り下げが上手くて、没頭して読んでしまいます。

今作は東大受験、ネグレクトで苦しめられている2人を描いていました。

読んでいて、東大受験ってサスペンスみたいだなと思いました笑 難関大学だからこそ課せられるものが大きいのかな。

スパルタ家族で育ったことで東大合格以外見えてなかった染野とネグレクトにあい、家庭の中しか考えられなくなっていた星が出会い、痛みを共有することで芽生える同盟。

普通が人と違うことに気づき、自分達の幸せの基準が狂ってることにも気づいてしまうところは胸が非常に痛む。

子供にとって、家庭が基準になるから、その家庭が歪んでいると子供の考えも平常ではいられない。

地獄から抜け出すために育っていく復讐計画は先が気になって仕方なかったです。

 

これ以上ない終わりで良かったです。

痛快な復讐計画で、伏線も上手くて納得しかない。

「絶対に東大合格しなきゃ許さない」――両親の熱烈な期待に応えるため、高校三年生の高志は勉強漬けの日々を送っていた。
そんなある日、クラスメートの星という少女から、自身をとりまく異常な教育環境を「虐待」だと指摘される。
そんな星もまた、自身が親からネグレクトを受けていることを打ち明ける。心を共鳴させあう二人はやがて、自分達を追い詰めた親への〈復讐計画〉を始動させることに――。
教室で浮いていた彼女と、埋もれていた僕の運命が、大学受験を前に交差する。驚愕の結末と切なさが待ち受ける極上の青春ミステリー。