羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

双葉社

サクラサク、サクラチル

辻堂先生の作品は構成と登場人物の掘り下げが上手くて、没頭して読んでしまいます。 今作は東大受験、ネグレクトで苦しめられている2人を描いていました。 読んでいて、東大受験ってサスペンスみたいだなと思いました笑 難関大学だからこそ課せられるものが…

その意図は見えなくて

ビターな読後感が良い。1冊通して、作風がぶれないのは良いですね。 暗い雰囲気が漂う青春ミステリ。 どの短編も真実が明らかになった後に残る胸中の苦さが素晴らしい。謎そのものというより、なぜ起きたのかを問いかけてくるから、高校生のうちに秘めた気…

俺ではない炎上

読み応え抜群の逃走劇に、意外な犯人、先が読めないハラハラ感が読む手を止まらせない。 怒涛の展開だが、最後まで一気読みです。 読み始めたらもう最後までいくしかない。 そんな魅力がありました。 SNSで呟かれる無責任な言葉、仕事でついボロが出てしま…

世界の美しさを思い知れ

タイトルにインパクトがありますが、タイトル負けしない熱量がありました。 売れっ子俳優の双子の弟・尚斗が突然自殺して、世間に衝撃が走る。 兄・貴斗は尚斗がなぜ死んだのか分からず、尚斗のゆかりのある場所を巡って、彼が残したもの、感じていたことを…

Butterfly World 最後の六日間

ミステリーとして霧に包まれたような起こる筈がない謎の殺人が起きて、その事件の解決までの筋道がなんと美しい。 丁寧に可能性を調べて、そして絞る。 最後の解決編での提示は読んでいて圧巻でした。 凝っている事件だが、実はあっさりとしているのは中々…

沖晴くんの涙を殺して

表紙やタイトル、帯の推薦文などを見るだけで読みたくなる吸引力がありました。 売り出し方としては最高でした。 もちろん中身も素晴らしいです。 震災の影響で家族を失って、そのときに死神と取引をして喜び以外の感情を失ってしまった主人公の沖晴。 傷が…