羽休みに娯楽を

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Butterfly World 最後の六日間

Butterfly World 最後の六日間

 

ミステリーとして霧に包まれたような起こる筈がない謎の殺人が起きて、その事件の解決までの筋道がなんと美しい。

丁寧に可能性を調べて、そして絞る。

最後の解決編での提示は読んでいて圧巻でした。

凝っている事件だが、実はあっさりとしているのは中々良いものですね。

 

主人公・アキの成長は目を見張るものがありました。

最初はVRに取り憑かれていて、どうしたものかと思ったが、起こる筈がない事件に遭遇して、VRに逃げ込む原因と向き合って、挫けそうになりながらも前に進もうと決意する姿は立派でした。終盤の推理を明かす場面は胸が熱くなりました。

原因の相手にもしっかり言及されていて、そちらの種明かしがあったのは嬉しい配慮でした。簡単には許せないだろうが、事情はあったのが明らかになるのは良いな。

 

非暴力なゲームになっている経緯は複雑な気持ちになるが、救われている人もいるから、良いんじゃないか。

 

そして、謎の事件が起きる館が生まれた背景などがしっかり不足なく描かれているので、没頭して読み込みました。

薄々勘づいていたが、真実を知るとくるものがありました。

 

最後まで読んで、VRゲームを舞台にした理由がよく分かりました。無事に羽ばたいていく余韻が素晴らしいです。

現実とVRゲーム、しっあり向き合うことで絶望して終わるのではなく、希望を抱ける読後感だったのは救いでした。

 

魅力的な舞台と気になる登場人物の裏側、ミステリーとしてもかなり力作。

是非ミステリー好きや、そうでない人にも読んでもらいたい作品でした。

 

 

人型のアバター=バタフライが生息するVR空間〈バタフライワールド〉にログインしたアキは、 ログアウトせず現実世界に戻らない者たちが暮らす〈紅招館〉に向かう。 アキはある事情から〈紅招館〉に住み続けたいと願うのだが、非暴力が徹底されているはずの〈館〉で住人の死体が発見される……。 現実世界とVR空間を行き来するパラレルワールド・青春本格ミステリ