羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

夜叉沼事件 創元推理文庫

夜叉沼事件 (創元推理文庫)

 

今回は身に危険が迫ったりしなさそうで、安心して読めました。

ミステリーと俊介、ジャンヌ、アキの変化を感じられるのが噛み合っていて、良い読み応えでした。バランスが取れていました。

野上さんが俊介に諭すところや、店長がアキを思って手配したりと大人が子供を導いているのが感じられて、日常を垣間見ることが出来るのは大切なことなので良かったです。

 

事件としては、過去の奇妙な誘拐、噂の幽霊、謎が謎を呼ぶ展開でしたが、綺麗に着地しました。

中盤までいけばなんとなく分かりますが、俊介くんの推理披露と犯人の心を救うアプローチは読んでいてハッとさせられます。

解決して終わりではなく、依頼者の希望と犯人の救済も行なっているのは、なんとも末恐ろしい…

まだまだ、俊介くんの成長が見たいです。

 

 

俊介が中学生になって2ヶ月が経過したある日。彼の担任教師・松永が石神探偵事務所を訪れ、20年前に兄が被害者となった誘拐殺人の真相解明を依頼した。身代金を強請る電話の後、なぜか犯人は受け渡しを前に約束を翻し、その後死体が発見された。なぜ少年は殺害されたのか?依頼を受けた所長の野上と俊介が事件関係者を訪ねて回る中、新たな悲劇が起きる。シリーズ長編第三弾。