羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

2021-01-01から1年間の記事一覧

ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論

発売当初から気になってはいたが、文豪が作品の要素に絡んでるということがちょっと躊躇いを生んでいたが、2巻が刊行されたので思い切って読んでみました。 たしかに文豪の書いた作品が参照されていましたが、物語を楽しむうえでは知らなくても問題ない範囲…

ブルーピリオド 5

龍二が試験を放棄というのは八虎にとって、気になる出来事。 龍二が八虎を美術の世界に連れてきてくれたといっても良いくらいだから、頭がモヤモヤするのは確か。 龍二が抱えていた悩みと向き合うために八虎が優等生の殻を脱ぎ、龍二と同じところにまで降り…

赤い博物館 文庫

大山誠一郎先生の作品で暫定で1番好きかも知れない。 いわゆる外しコースとも言える赤い博物館の館長・緋色と左遷された聡が共に未解決事件に迫っていく短編集。 凄い!全話面白かった。 長編より短編の方がまとまりやミステリとしての切れ味が鋭い感じがす…

2021年 16本目 映画 劇場版 呪術廻戦0

呪術廻戦の前日譚である0巻が映画化! 100分以上上映時間があり、恵まれた映画化だったと思います。 乙骨と里香、五条と夏油、この関係性が密に描かれているだけで満足なのに、戦闘シーンはアニメシリーズと同じで動く動く。 終盤の乱戦ではかなり動いていた…

狼と香辛料 (2)

ロレンスとホロの関係性が良い。 ぶっきらぼうに見えて気遣いができるロレンスと分かっていてもロレンスから好意的な台詞を聞きたいホロ、2人が徐々に相手が求めることを分かっていくのが堪らなく愛おしくもなる。 今回、ロレンスの商人として絶体絶命のピ…

2022年 1月の購入予定&注目作品

1月は12月ほど詰め詰めのスケジュールにならなそうでホッとします。 新作で注目しているのは、ラブコメでは 天使は炭酸しか飲まない 私の初恋相手がキスしてた 恋を思い出にする方法を、私に教えてよ が楽しみです。 好きな作家のあさのハジメ先生の新作、キ…

クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった

男女の友情モノ。 クラスで目立つ天海に隠れている朝凪とぼっちの前原が密かに交流していくのが良い緩さでホッコリします。 異性の友情として、リラックスしてくつろぐというのは良いものだなと思う次第。 ただ、中盤まではただの友情で進んでいくが、その…

飛び降りようとしている女子高生を助けたらどうなるのか?3

凄く良かった。 今回は1巻の結城と初白付き合って、問題にぶつかった時の外から見ていた大谷視点のお話。 てっきり結城主人公の物語だと思っていたから不意を突かれました。 結城視点では見えなかった、ぶっきらぼうで、さばさばしたような感じの大谷が結城…

ボトルネック 文庫

久しぶりに読み返しも、十分味わえる作品でした。 青春、ミステリー、SFを融合した作品。 パラレルワールドに行ったら大体ハッピーな終わりになるものだと思ってしまうが、今作は違う。嫌なまでに自分の至らなさを実感させられて、暗い方へ背中を押されてい…

世界の美しさを思い知れ

タイトルにインパクトがありますが、タイトル負けしない熱量がありました。 売れっ子俳優の双子の弟・尚斗が突然自殺して、世間に衝撃が走る。 兄・貴斗は尚斗がなぜ死んだのか分からず、尚斗のゆかりのある場所を巡って、彼が残したもの、感じていたことを…

ぼくのメジャースプーン 文庫

素晴らしすぎて、感情が揺さぶられること間違いなし。 罪を罪だと分からず、馬鹿みたいに残酷なことをする犯人に対してどんな罰を与えるのか考えていく"ぼく"の思考や倫理観や人に対する罰について教えてくれる先生のお話に夢中になって、読んでいきました…

カッコウの許嫁9

えりかが凪を意識し始めているが、距離感は中々変わらない。 初恋のあいが中々ぶっとんだ言動と行動力で、えりか、ひろ、幸を振り回していく。 幸やひろも良いところを見せてはいたが、あいが持っていったなと。 凪はそれぞれのヒロイン達に振り回されてい…

犯人は僕だけが知っている

また、松村涼哉先生が名作を出してきたか。 毎回、テーマを決めて書いている作家さんだが、今回は様々な社会問題を取り入れてミステリーも入り組んでいたので、読み応えが抜群でした。 田舎が舞台に起きる失踪事件。その背景には家庭、部活、仕事があり、救…

コミュ障探偵の地味すぎる事件簿

目を見て話せないを改題して文庫化。似鳥鶏先生の作品の中で1.2を争う好きな作品なので、是非読んで欲しいコミュ障青春ミステリーです。 主人公・藤村京はコミュ障で人と目を見て話せない。だが推理に長けている。 彼の1人ぼっちだった経験から来る語りや考…

ソードアート・オンライン プログレッシブ3

今回もクエストにコツコツ挑むというものだが、ゲームの醍醐味でもあるから良いものだ。 本筋の階層ボス戦もスリルがあって魅力的だが、ゲームのちょっとした要素もやってこそだよな。 アイテム集めや裏の陰謀を突き止めたりと順番に進行していくのもありだ…

パパ活JKの弱みを握ったので、犬の散歩をお願いしてみた。 (2)

まず、続巻が出てくれて嬉しいです! 1巻でもまとまっていたが乃亜や日菜子を掘り下げて欲しかったので。 前巻から少し間が空いたので最初はどんな感じだったけと探りながらでしたが、そうだ、このイカれたやりとりこそ、真骨頂だと思い出しました。 この作…

2番セカンド 01

タイトルて表紙に惹かれて、衝動買いしたら大当たりの名作でした! 吃音を持つ少年・あずきが苦しみながら、自分が目指すものを見つけて、がむしゃらに突き進んでいく様子は胸を打たれます。 自分も吃音で悩んでいたことがあったから、あずきが上手く話せな…

彼女が好きなものはホモであって僕ではない 再会

純が大阪に転校して、初っ端からカムアウト。どうなるかと思ったら、割と受け入れられる感じで安心しました。 大阪ならではなのかな?東京との差がありました。 転校先の純とクラスメイトとなる、五十嵐はゲイであっさり曝け出せる純に心を揺さぶられる。 …

非接触の恋愛事情

コロナで生活様式が変わることで、恋愛にどんな影響を及ぼすかがテーマになっていて、子供から大人、状況など、作者ごとに着眼点が違っているので、どの話も興味深く読めました。 どれが良いというよりも、どれも良いと言えるくらい、どの話も恋愛、家族、…

密室は御手の中

阿津川先生かデビューしたきっかけと同じということと、密室、名探偵と助手の関係を掘り下げているとあっては読まずにはいられなかったです。 密室、名探偵と助手、このワードが好きな人には突き刺さるミステリーになっていました。二つの要素が好きな自分…

虚構推理 逆襲と敗北の日

刊行ペースが上がっていて嬉しい限り。 今回も虚構を作り上げるが嘘はついてない琴子の策略に感嘆しました。 夢虚ろな犯人に対して、厳しく現実を突きつけるのはスッキリしました。 珍しく、琴子と六花さんが手を組んで事件に当たったら犯人が可哀想に見え…

男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!) Flag 4. でも、わたしたち親友だよね?〈上〉

前巻で一区切りが着いて、今巻は上下巻の上巻ということでゆっくりとした雰囲気だが水面下で着々と進んでいる感じがしますね。 展開が強引でちょっとイラッともしますが、そうでもしないと物語が動かなさそうだから仕方ないか。 悠宇と日葵が付き合うことに…

声優ラジオのウラオモテ #06 夕陽とやすみは大きくなりたい?

アイドル声優プロジェクトがテーマで、ライブ対決。 特にダンスが重要になってくる。やすみと夕陽は別々のチームになることで、離れている間に片方は何をしているのか意識する。 2人ともリーダーになり、周りをまとめようとするが上手くいかない。 そんな時…

無自覚チートの箱入りお嬢様、青春ラブコメで全力の忖度をされる(2)

天津風の青春バカっぷりが1巻より控えめだったのはもったいないような、これで良かったのかなとも思う。 琥太郎や周りを振り回すのを毎巻やるのはワンパターンか。 今回は未来から来た加賀美の親が現在のクラスメイトで2人は仲違いをしている。どうにか2人…

2021年 15本目 映画 あなたの番です

先日公開された、あなたの番ですの劇場版を観に行きました。 ドラマから数年経って、久しぶりの作品だが、すっと入れて、楽しめました。 ドラマとは違って、交換殺人が起きなくても惨劇が起きてしまうのはなんとも皮肉。 ただ、その中心の人物を考えると何か…

嘘と詐欺と異能学園2

1巻が面白かったので今回はどうかなと思ってましたが、文句なしの面白さです。 騙し合い異能ゲームは良いですね。 力ではなく知で出しぬいていくジンのやり方はスカッとするし、認識を反転させるようにトリックを仕込んで、逆境で炸裂するのは爽快です。騙…

虚ろなるレガリア2 龍と蒼く深い海の間で

期待のシリーズ第2巻。 今回、前半から中盤までは世界観を広げる説明が多めで、少し退屈だった。 だが、作品を長く続けていくならば必要な事だったのかなと。 中盤以降の日本独立評議会の裏が明らかになったり、不死者の殺し方が判明したりと惹きつけられる…

どうしても生きてる 文庫

タイトルの通り、苦しくたって、やるせなくても生きている限りは生きづけないと。 そんな気になるお話の短編集でした。 生きていて悩みは尽きないというのが嫌でも分かりました。 現実に直面して落ち込みそうでも、悩みながら自分と向き合っていくのは読み…

ノースライト 文庫

単行本時から気になってたが、読めてなかった。文庫化してくれて助かりました。 立派な家を建てたが、そこには誰も住んでいなかった。 仲良さげな夫婦、子供が住んでいた形跡がなく、ただ椅子が置いてあった。 その状況からよくぞここまで裏側を練って、今…

わたしの美しい庭 文庫

凪良ゆう先生はその人が持つ悩みや感情をないがしろにせずに寄り添ってくれる作品を書く印象かあるが、今作も見事なまでに心をほぐしてもらいました。 流浪の月の次に好きな作品になりました。 登場人物達が背負っているものはそれぞれ違うけど、存在してい…