羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

非接触の恋愛事情

非接触の恋愛事情 (集英社文庫)

 

コロナで生活様式が変わることで、恋愛にどんな影響を及ぼすかがテーマになっていて、子供から大人、状況など、作者ごとに着眼点が違っているので、どの話も興味深く読めました。

どれが良いというよりも、どれも良いと言えるくらい、どの話も恋愛、家族、先輩、様々な関係を掘り下げていて良い短編集でした。

 

無邪気に子供のいじわるで、何々くんに触られたーというウィルス遊びが現実でウィルスが流行することでなくなっていくというのは良いのか悪いのか。

SNSで関係を作り気楽に楽しむが、現実で対面した時に自分の素を晒せるのか。

ウィルスに対して過剰になった世界で恋愛することが難しくなったり。

ずっと家にいることで関係にヒビが入っていったり。

様々な問題を絡めていて、かつ恋愛の行く末も気になるようになっているというのは、各作家のうまさが出ていたのかなと。

 

学生の話では自分がそうだったら、どう思うのかと考えてしまいました。

 

 

 

【お題】コロナ禍で変わる新しい恋愛を描け──。
キスもデートも禁止! 気鋭の作家が想像の限りを尽くして描く、新時代の恋愛アンソロジー。いきなり文庫!

コロナ禍で変わる恋愛をテーマにした短編アンソロジー。小学生の頃から病原菌扱いをされ、いじめを受けてきた高校生の朝陽。しかし、ウイルスの蔓延で状況は一変する。(「拝啓コロナさま」)休校中、チャットアプリ上に作られた仮想の教室。名前も性別も不明の空間で、"僕"は一人の生徒に恋をした。(「仮面学級」)など、各作家が想像の限りを尽くして描く、全7編。桁外れの発想力に、あなたは唸る!