新潮文庫
あぁ、心に届く台詞が散りばめられていて、読み終わるのが非常に惜しい気持ちになりました。好きな仕事で誇りを持っていた会社の事業が撤退することになり、途方にくれる。 人は立ち止まる機会がないと、いつまでも日常は続くものだと思ってしまうものなのか…
彩瀬まる先生の作品は読んでいて心すり減るけど得られる感情があるから読みたくなるんだよな。 読んでいて、正しくあるのと良い行いは会社や環境次第では成り立たないのだなと。噛み合わない考えと在り方に、胸が苦しくなる。なんでこうなってしまうだと嫌に…
死は避けられない。それが分かっていても後悔は残る。そんな気持ちをどうにか抑えるためにぎょらんは生まれたのか。 人は生きていたら色々ある。 辛いことや後悔は残ることはあるだろうが、生きているなら避けられない。そことどう向き合っていくか。 各話に…
表紙から素晴らしい。表紙になってる話が1番好きで印象的だっただけに良い絵だなと思います。クジラを見る母と娘の図は読み終えたら心に響くものがあります。 悩みは尽きないけど、気持ちが晴れたならそれで良い。背中を押してくれる作品です。 ぐらぐら揺れ…
素晴らしい作品でした! 以前から気になっていたが、読んで良かった!様々な岐路に立つ人達が上を見れるようになっていく短編集。 各話のスポット当たる人物論が自分の心と向き合っていき、視界が開けていく様子は読んでいて安心します。何に悩んでいるのか…
帯に書いてある推薦通りの内容で非常に満足です! 法律家の一歩手前、司法修習生を掘り下げる物語。 これから法律家になるにあたり未熟な部分があるが、だからこそ試練を乗り越えて成長していく彼らの姿に希望があって良かったです。 また、指導者側も影響を…
初村上春樹作品。独特の文章、ふわふわした雰囲気で進んでいく。 世界一タフになる少年・カフカと猫と話せるナカタさん、2人の視点が交互に訪れる。摩訶不思議な状況ですが、先が気になる物語でした。 また、曖昧で、関係性がないようなエピソードが詰め込ま…
箱根駅伝でマラソン熱が高まって、さらに今作を読んだら走る意味を考えることになりさらに熱量が高まりました。速くではなく、強く。 走る辛さ、苦しみ、喜びを描いていて、ランナーに敬意が増しました。また、箱根駅伝を走る学生達、実業団、プロランナー、…
坂木司先生の作品は読むと元気が湧いてきて、良いです。 性の悩みをテーマにしていて、女性の処世術を描きつつも男の生きづらさも見ているので、終始フェアな物語だなと。ミキが男で女の社会を生き抜いていく力強い姿勢には勇気が貰えました。 ミキが生きづ…
心に来る物語でした。 いやー辛かった。青春、夏、という題材を使っている作品は大体爽やかなんだが、今作は胸が締め付けられる後悔がありますね。 思春期の楽しい日々や嫌なところもありつつ、このまま時が流れるのかと思いきや、急展開を迎えるので、落差…
須賀しのぶ先生の野球小説は素晴らしい。 甲子園出場が悲願とされている公立高校を10年置きにスポットを当てていき、様々な角度から悲願に立ち向かっていて、全てが繋がる最後には胸が熱くなります。主将、バッテリー、マネージャー、監督、外れと揶揄される…
ノンフィクション。これはフィクションではなく現実にあったこと。読んでいて、フィクションだったら…と辛い気持ちになります。 2020年、コロナが流行し始めた年。夏の甲子園は中止を告げられた。球児、監督の心中はいかに。 目指していた舞台を取り上げられ…
前半は社会人パートで、厄介な上司に振り回されたり、クレームやマスコミの攻撃を受けながらもなんとか立て直そうと働く姿は応援したくなりました。 わがままな人が昇進していくのが腹立つのは社会人の総意かと。 今作は章の間に挟まれている不思議な漫画が…
4年振りくらいに再読しました。 読み返していくうちに、こんな感じだったなと思い出していきました。 ぼんやりと覚えていた程度だったので、2度目でも真相を知った時は衝撃でした。 中学一年生のハルカが母の故郷に戻ってきて、次々と田舎ならではの風習に…
久しぶりに読み返しも、十分味わえる作品でした。 青春、ミステリー、SFを融合した作品。 パラレルワールドに行ったら大体ハッピーな終わりになるものだと思ってしまうが、今作は違う。嫌なまでに自分の至らなさを実感させられて、暗い方へ背中を押されてい…
単行本時から気になってたが、読めてなかった。文庫化してくれて助かりました。 立派な家を建てたが、そこには誰も住んでいなかった。 仲良さげな夫婦、子供が住んでいた形跡がなく、ただ椅子が置いてあった。 その状況からよくぞここまで裏側を練って、今…
父親が4人いるというぶっ飛んだ設定だが不思議と惹きつけられていきました。 どんな状況だよと思っていたが読み進めていくにつれて納得してしまう不思議。 個性豊かな父親達との生活は大変だが、息子である主人公・由紀夫が受け入れている理由が何となく分…
作品は前から知っていたが、分厚いから敬遠していました。 だが、読んだら後悔しました。 分厚い1冊だが、全てが必要なことなので読み進めていくうちに気にならなくなる面白さでした。 首相殺しの濡れ衣を着させられた主人公がただただ、逃げる。誰が仕組ん…
帯に書かれているレビューがなければなんにも買えないというフレーズが胸に突き刺さってきます。 自分のことなのに他人の評価が気になってしまうのは、自分の中で自分を信じ切れてない部分があるからかな。 人は友人、思い出、趣味、親、評価、不意の衝動に…
伊坂幸太郎先生は作風を固定しないが、今作は良い意味で宙に浮くような雰囲気で素敵でした。 連作短編集は繋がりを感じると良いなと思うが、今作はあえて繋がないという書き方をしていて独特なぶつ切り場面があって、不思議な気分でした。 うっすらと繋がっ…
ふと気になって読んでみたら大当たりでした。 表紙やあらすじから生きていて悩んでいる少女の物語なんだなと思っていましたが、素直に明かさずにオセロのように白、黒パートで語り手が変わっていて二つの面から進む物語で非常に惹きこまれていきました。 途…
ぷらんたんという雑貨店を軸に回っていく短編集でまずは店主で主人公の巴瑠さんな掘り下げから始まったのが以外でした。わりと掘り下げられない作品が多い印象なので。 巴瑠さんが抱えている悩みは決して分かるとは言えないですが分かりたいと思いました。…
今作は家族の不滅な絆を描いた長編小説です。 複雑な事情を持った家族が家族として当たり前の幸せを手に入れるための物語だと僕は感じました。 なぜ、人間はレイプを犯すのか。その問いについて掘り下げて説明されていて確かに犯罪の中で嫌な印象を受けるが…
人生って何が起こるか分からない。 様々な事情を抱えた人達が自分の欲に従って生きているのが清々しくて良いですね。 群像劇としてそれぞれの人物達がすれ違っていて、そのタイミングがバラバラで読んでいて驚きました。素直に読んでたら不意を突かれます。 …
少し不思議な能力を加えての青春群像劇です。 京、ヅカ、ミッキー、パラ、エル、仲良し五人組の間に起きるすれ違い。 それぞれがかくしごとを抱えていて、それは他人の気持ちを様々な表現で知るということ。 浮かれてしまうような能力ですが万能というわけ…
伊坂幸太郎作品に最近ブームになっていて、最近本屋に行ったらよく並んでる今作を楽しみにしていました。 ノンシリーズなので前知識は必要がないので入りやすいかと。 読み終えた後は上質な変な小説。という不思議な感触でした。 時系列ずらしたり、意味が…
刑事小説、ミステリーとしての定石をとことん崩していき、楽しく描かれているように感じました。タイトル通り、富豪刑事こと神戸が金を様々な用途で使い込み、事件を解決へ導いていくもの。事件の解決方法が様々で、惹かれていきました。金で強引に展開を引…
十二人の死にたい子どもたち (文春文庫)作者: 冲方丁出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2018/10/06メディア: 文庫この商品を含むブログを見る (内容)廃病院に集まった十二人の少年少女。彼らの目的は「安楽死」をすること。決を取り、全員一致で、それは実行…
儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)作者: 米澤穂信出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/06/26メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 32回この商品を含むブログ (84件) を見る (内容)夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山…
リカーシブル (新潮文庫)作者: 米澤穂信出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2015/06/26メディア: 文庫この商品を含むブログ (9件) を見る (内容)越野ハルカ。父の失踪により母親の故郷に越してきた少女は、弟とともに過疎化が進む地方都市での生活を始める。だ…