羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

ぎょらん

ぎょらん(新潮文庫)

死は避けられない。それが分かっていても後悔は残る。そんな気持ちをどうにか抑えるためにぎょらんは生まれたのか。

人は生きていたら色々ある。

辛いことや後悔は残ることはあるだろうが、生きているなら避けられない。そことどう向き合っていくか。

各話に登場する人達が苦境に立ちながらも、もがき生きていき、希望を見つけていく生き方は心に残ります。

 

ファンタジックな要素がありつつも、現実的に後悔となる出来事と向き合っていく。ぎょらんとは何か。最後まで読むと心がほぐれていくようでした。

悲しみがありながらも、壁を乗り越えていく姿にたくさんの勇気を貰いました。

 

人が死ぬ際に残す珠「ぎょらん」。
それを嚙み潰せば、死者の最期の願いがわかるのだという。
地方都市の葬儀会社へ勤める元引きこもり青年・朱鷺は、ある理由から都市伝説 めいたこの珠の真相を調べ続けていた。
「ぎょらん」をきっかけに交わり始める様々な生。
死者への後悔を抱えた彼らに珠は何を告げるのか。
傷ついた魂の再生を圧倒的筆力で描く7編の連作集。