名誉が地に落ちたベルだが、今までのベルがしてきた活躍を知っているものは見放したりはしない。ベルがベルらしくいられるためには周りの支えが必要なんだと実感する展開でした。
ベルが人に害することをしたのは、確かに違和感があるかもしれないが、ベルがしてきた英雄としての姿は一度のやらかしで消えることがなくて良かったです。
オラリオに残った異端児達をダンジョンに帰すためのミッションはハラハラドキドキの連続で、失敗してもおかしくないものでしたが、ヘスティアファミリアや協力者の団結で乗り越えていくのは熱かったです。
アイズと向き合ったベルとウィーネの覚悟は見事でした。
そして、ベルとウィーネがきちんと気持ちに折り合いをつけて、離れられたのは救いでした。
終盤のヘルメスが策を見せたが、小賢しい思惑を振り切ってみせたベルの英雄としての輝きは見事でした。名誉挽回としては百点でした。
ただ、ベルからすると確かに悔しさが残るもので、冒険者としてこれから強さを求めて前に進んでいく姿が楽しみです。
ベルのライバルであるのはアイズでも他の冒険者でもなく、アステリオスなのは、まさにピッタリな配置でした。
再戦の時は楽しみです。
少年の名声は地に堕ちた―。竜の少女を救った代償として人々からの信用を失ったベル。悪意と失意の狭間で傷付き、苦悩する。だが、「迷わないで。貴方の側には失われないものがちゃんと残っています」出会いの絆に支えられ、決意を新たにしたベルは仲間とともに立ち上がる。再び戦場へと変わる迷宮街で決行される『異端児』帰還作戦。その前に立ちはだかるは都市最強。賢者の知恵、勇者の策、神々の思惑、そして黒き獣が咆哮を上げる時、少年の心は回帰する。「僕…強くなりたいです」これは、少年が歩み、女神が記す、―“眷族の物語”―