日常の短編集で、ほっこりする話やしんみりする話、など戦闘ばかりだったベル達や作者にとっても休息の日々でゆったり読めた。
本編の展開がハードで熱いからこそ、日常の良さが感じられました。
ヘスティアファミリアのメンバー、エイナさんの始まりの頃を描いていて、今と比べると感慨深いものがありました。
皆、それぞれ秘める想いがあり、それが今に繋がっているのを実感出来る振り返りでした。
特にリリ、エイナさんは印象的なエピソードでした。
リリは老夫婦に迷惑をかけて、悔いていたが、老夫婦もリリに対しての扱いを後悔していて。互いに互いを思い合っているのが分かり、胸が暖かくなりました。
エイナさんの話はまだエイナさんが駆け出しの頃の初々しい時で、喜びと現実を知って、ベルと出会うまでに何があったのかが描かれていて、貴重でした。
そして、アイズさんの出生にも触れていて、そこは気になって仕方ないです。
いつか明かされるのだろうか。
リューさんはすっかり恋していて、あらまといった感じ。
エルフという種族性やリューさんの性格からして、デレたら大変だろうなと思っていたが、これからどうなるのかニヤニヤしますね笑
深層の決死行を乗り越え、地上の帰還を果たしたベル達。それぞれが果たした冒険の成果は『成長』の証。確かな前進に喜ぶ傍ら、ふと彼等彼女等はこれまで歩んできた道のりを振り返る。少年は始まりの日に還り。女神は追憶を映す炉の光に目を細め。小さき少女は灰の過去を乗り越え。鍛冶師は遠き日を重ねた空を仰ぎ。受付嬢は昔日の傷を。妖精は正義の誓いを。黒烏は金狐との今昔の物語を想う。今と過去が織りなす日常編。『英雄』が生まれる地に束の間安らぎを。これは、少年が歩み、女神が記す、―“眷属の物語”―