羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

ホワイトラビット

ホワイトラビット(新潮文庫)

 

伊坂幸太郎作品に最近ブームになっていて、最近本屋に行ったらよく並んでる今作を楽しみにしていました。

ノンシリーズなので前知識は必要がないので入りやすいかと。

 

読み終えた後は上質な変な小説。という不思議な感触でした。

時系列ずらしたり、意味がなさそうな言葉に意味を持たせたり、作中の合間に作者が強引に介入してきたり、やりたい放題な小説でした。

間違いなく今作でしか味わえないと思いました。

 

警察、籠城犯、泥棒が入り乱れてしっちゃかめっちゃかになるが、読み進めたくなる中毒性がありました。みんな善人ではないが、嫌いにはなれないくらいに彼らの心情に入り込めました。

人は罪を犯さない人はいない。

確かにその通りで、大なり小なり罪を犯している。ただ、少なくするのが大事。

 

作中で極悪だったやつの最期は悪の滅び方として最高でした。素晴らしい。

 

 

兎田孝則は焦っていた。新妻が誘拐され、今にも殺されそうで、だから銃を持った。母子は怯えていた。眼前に銃を突き付けられ、自由を奪われ、さらに家族には秘密があった。連鎖は止まらない。ある男は夜空のオリオン座の神秘を語り、警察は特殊部隊SITを突入させる。軽やかに、鮮やかに。「白兎事件」は加速する。誰も知らない結末に向けて。驚きとスリルに満ちた、伊坂マジックの最先端!