羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

マリアビートル

マリアビートル (角川文庫)

 

再読。映画観てから読み返したら、原作はこんな感じだったかと確認しつつも、楽しめました。個人的には映画の方が良かったな、ここは原作のままが良かったな、と思いましたが映画にまとめるならあれがベストだったのかなと。ただ、言いたいのは映画の果物コンビの扱いの方が好みではあった。

 

グラスホッパーの鈴木が登場しているが、良い変化しているなと思いました。命の危機を乗り越えたことで達観しているのがまた、今回の悪と対峙する時に活きていたかな。まぁ、ちょい役ですけど。

 

新幹線内で起こる殺し合いと騙し合いにハラハラしつつ、悪はコマ切れになったようで何よりです。伊坂幸太郎先生作品の醍醐味ではありますが、悪の始末方法。

あれだけ生意気なクソガキだったから詳しく読みたい気もしましたが、大体お察しだったのはちょっと残念。ただ、小説に書けない程だったんだろう。

 

なぜ人を殺してはいけないのかという問いかけは、そもそも、そんな質問する方が悪い。そんな奴は今作を読んで学ぶと良い。

 

幼い息子の仇討ちを企てる、酒びたりの殺し屋「木村」。優等生面の裏に悪魔のような心を隠し持つ中学生「王子」。闇社会の大物から密命を受けた、腕利きの二人組「蜜柑」と「檸檬」。とにかく運が悪く、気弱な殺し屋「天道虫」。疾走する東北新幹線の車内で、狙う者と狙われる者が交錯する――。
小説は、ついにここまでやってきた。映画やマンガ、あらゆるジャンルのエンターテイメントを追い抜く、娯楽小説の到達点!