羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

手のひらの音符

手のひらの音符(新潮文庫)

あぁ、心に届く台詞が散りばめられていて、読み終わるのが非常に惜しい気持ちになりました。好きな仕事で誇りを持っていた会社の事業が撤退することになり、途方にくれる。

人は立ち止まる機会がないと、いつまでも日常は続くものだと思ってしまうものなのか。

そんな時に恩師が病気になったという連絡が届き、追想していくように昔を振り返る。恩師との関係、近所付き合い、親娘関係、色々ある。

 

自分の仕事だけでなく人生そのものを描いていて、山あり谷ありの人生、大切な人、感情は忘れないようにしようと思いました。

 

 

人はいつだって、知らない間に一生のさよならをしている。

45歳、独身、もうすぐ無職。人生の岐路に立ったとき、〈もう一度会いたい人〉を思い出した――。気づけば涙が止まらない長編小説。

デザイナーの水樹は、自社が服飾業から撤退することを知らされる。45歳独身、何より愛してきた仕事なのに……。途方に暮れる水樹のもとに中高の同級生・憲吾から、恩師の入院を知らせる電話が。お見舞いへと帰省する最中、懐かしい記憶が甦る。幼馴染の三兄弟、とりわけ、思い合っていた信也のこと。〈あの頃〉が、水樹に新たな力を与えてくれる――。人生に迷うすべての人に贈る物語!