- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/06/26
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (9件) を見る
(内容)
越野ハルカ。父の失踪により母親の故郷に越してきた少女は、弟とともに過疎化が進む地方都市での生活を始める。だが、町では高速道路の誘致運動を巡る暗闘と未来視にまつわる伝承が入り組み、不穏な空気が漂い出していた。そんな中、弟サトルの言動をなぞるかのような事件が相次ぎ…。大人たちの矛盾と、自分が進むべき道。十代の切なさと成長を描く、心突き刺す青春ミステリ。
(感想)
中学一年生のハルカが、弟のサトルと母親の故郷である過疎化が進む街に引っ越してきて、物語は始まる。
ハルカはその場の空気に敏感で、街全体に漂う不吉なものを感じとる。サトルは何かに怯えて、そして、これまで起きたこととこれから起こることを言葉に出す。
ちぐはぐした雰囲気で進み、この街の違和感はなんだろうとハルカが民族的風習に立ち向かう。読んでて、掴めそうで掴めない感じがもどかしかった。分かりそうで分からない。
物語的に起伏が少なかったが、中盤から終盤にかけての伏線回収は圧巻でした。
最後に謎は解けたが、街自体のことに触れられてない、どうなったなかは読者の想像次第だな。
なんだか不思議な物語でしたが、面白かったです。