4年振りくらいに再読しました。
読み返していくうちに、こんな感じだったなと思い出していきました。
ぼんやりと覚えていた程度だったので、2度目でも真相を知った時は衝撃でした。
中学一年生のハルカが母の故郷に戻ってきて、次々と田舎ならではの風習に面を食らいながらも生活に馴染もうとする。しかし、弟のサトルがまるで未来予知とも言える言動を繰り返していく。
住民の不可思議な行動、街全体に覆われているような排他感がまとわりついていて不気味で、サトルの未来予知は何なのか、終盤まで霧に包まれている様でした。
古びた街の違和感とサトルの言動の真実を追っていくうちにハルカがたどり着いた真実には非常に驚かされた。緻密な計算で成り立っていた小説でした。
民族、地域に根ざした風習は簡単にはなくならないものだと思い知りました。
ミステリーとしての仕掛けは思い返せば、きちんと伏線を張られていたので思い至らなかったなかのが悔しい。
また、ハルカとサトルの喧嘩っぷりには最初はどうにかならないかと思うときもあったが、2人が家族である背景が重たく、ハルカが背負うものは大きくて、だけど家族だからと受け入れていくハルカに勇気が貰えます。
越野ハルカ。父の失踪により母親の故郷に越してきた少女は、弟とともに過疎化が進む地方都市での生活を始める。だが、町では高速道路の誘致運動を巡る暗闘と未来視にまつわる伝承が入り組み、不穏な空気が漂い出していた。そんな中、弟サトルの言動をなぞるかのような事件が相次ぎ…。大人たちの矛盾と、自分が進むべき道。十代の切なさと成長を描く、心突き刺す青春ミステリ。