目を見て話せないを改題して文庫化。似鳥鶏先生の作品の中で1.2を争う好きな作品なので、是非読んで欲しいコミュ障青春ミステリーです。
主人公・藤村京はコミュ障で人と目を見て話せない。だが推理に長けている。
彼の1人ぼっちだった経験から来る語りや考えに非常に共感出来るし、これこそぼっちだと彼を応援したくなります。
自己紹介、セレクトショップ、カラオケ、コミュ障なら避けたいところの描写が巧みで、痛いほど藤村の気持ちが伝わってきました。
コミュ障は苦手な事と接する場面では余計な事にまで頭が回ってしまうのに、分かる分かると頷くばかりでした。
人と話すのが苦手なゆえに、推理を伝えるのに工夫していくのは独特でした。
藤村送る大学生活は事件に巻き込まれることが多いが、大切な友達も出来る。
コミュ障にもそれぞれ種類があって、藤村の周りの友達も個性豊かでしっかりしてそうだが、それぞれ悩みを持っている。
藤村が友達達と関わっていくことで変化していく様子が凄い良かったです。
ミステリーとしてもさすがの切れ味です。
トリックや真相に至るまでの推理も練られていて、読み応えがあります。
登場人物の成長が楽しみなので、是非シリーズ化を熱望しています。
名探偵は、人見知りで口下手!? 大学生たちの愛すべき青春日常ミステリ!
藤村京はいわゆるコミュ障。大学入学早々、友達作りに出遅れ落ち込んでいると教室に傘の忘れ物を見つける。だが、人と話すのが苦手な藤村は忘れ物をした状況を独力で推理して持ち主を突き止めようするが!?