発売当初から気になってはいたが、文豪が作品の要素に絡んでるということがちょっと躊躇いを生んでいたが、2巻が刊行されたので思い切って読んでみました。
たしかに文豪の書いた作品が参照されていましたが、物語を楽しむうえでは知らなくても問題ない範囲でした。
盗作疑惑が起こり、巻き込まれる形で主人公・作家の李奈は盗作疑惑の裏側を調査していくことに。
二転三転していく状況に頭を抱えたくなるが、地道な調査の末にたどり着いた終着点は悲しくも暖かさがあるものでした。
最後まで真実がどういうものか分からなかったので、撒かれていた伏線が繋がっていく終盤は圧巻でした。
盗作が行われた理由には納得がいき、裏側にあった思惑には呑まれるものがありました。
犯人のやったことは許されることではないが、そうしてしまった理由には納得しました。
読みながら想像していたが、かすりもしませんでした笑
李奈が調査をしていくうちに、作家や出版社の汚れている部分に触れていき、精神的に逞しくなっていくのが見どころでした。
事件を通して、作家として成長していて、今後どうなっていくのか楽しみです。
新進気鋭の作家に盗作疑惑!? 発覚後は失踪――
ラノベ作家の杉浦李奈は、新進気鋭の小説家・岩崎翔吾との雑誌対談に出席。テーマの「芥川龍之介と太宰治」について互いに意見を交わした。この企画がきっかけとなり、次作の帯に岩崎からの推薦文をもらえることになった李奈だったが、新作発売直前、岩崎の小説に盗作疑惑が持ち上がり、この件は白紙に。そればかりか、盗作騒動に端を発した不可解な事件に巻き込まれていく……。真相は一体? 出版界を巡る文学ミステリ!