李奈が売れっ子作家みたいな扱いを受けて戸惑っている様子は現実でもあるのかなと想像してしまう。だけど李奈が地に足つけた歩みをしているから揺らぐ心配がないのは非常に安心で、応援したくなります。地道にめげずに小説と向き合っていたから、簡単に天狗にならないのは読者には分かっている。
今回は親子関係を突いていて、胸糞悪い裏事情がありつつ、李奈の成長もあって読後感が素晴らしかった。話し合って、溝を埋めていくのは必要なことだなと。李奈は作家としてだけでなく人としても大人に近づいているのが分かる。
また、シリーズのメタ要素には驚いた。松岡圭祐ってそういうこと!?と衝撃でした。
笑ったのは結衣の名前が出るタイミング笑
ますます好きなシリーズになってきました。
早くも10巻! 人気沸騰の超シリーズ!
『十六夜月』がヒットしたことで作家としてのステージが上がった李奈。三十階建て駅前マンションに引っ越し、気持ちを新たに次作に取り組む中、担当編集者から妙な頼み事をされる。ベテラン作家・丹賀源太郎が開いていた文学塾の閉塾に伴って催される宴に出席して欲しいというのだ。しかも依頼主は極端かつ急進的で差別主義的な思想を前面に出した長編小説がベストセラーになっている源太郎の息子だという。2人に面識もなく、塾にも関係のない李奈は戸惑うものの渋々参加を了承する。果たして開かれた宴席は、奇妙なものだった……。