羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

ぼくと、ぼくらの夏

ぼくと、ぼくらの夏 (創元推理文庫)

 

表紙が魅力的で、アンニュイな2人が素敵。

探偵とワトソンが高校生なのにハードボイルドの雰囲気が漂っていて、良い。味のある会話や遠回りな比喩、掴みどころのない主人公・戸川が魅力的でした。

一つの自殺事件を追っていくうちに見えてくる景色が変わっていくように、戸川と酒井の関係も変わっていくのが良い。

 

地の文、キャラ造形がウィットに富んでいて、読み心地が良く、浸りたくなる作品だからこそ真実が沁みる…

 

 

暑い夏休みの朝、高校2年の戸川春一は同級生・岩沢訓子が、稲城大橋から飛び降り自殺をしたことを、刑事である父親から知らされる。あんなまじめそうな子が、自ら命を絶つなんて。その日の午後、彼女の死を偶然に出会った酒井麻子に伝えると、なぜか一緒に事件を探る羽目に。麻子は訓子とは中学からの親友で、高校入学後から距離をおかれて悩んでいたという。二人の探偵行は、新たな事件を引き起こし……。決して古びない瑞々しい文体で評判となった、青春ミステリの傑作。