羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介

ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介 (講談社文庫)

服を見れば、その人の状態を把握することが出来る名探偵登場。服の皺や状態から推測してズバリ当てるのは珍しく、頼もしい。設定が気になって読みましたが、驚きました。ガッツリミステリでした。

最初は軽いミステリかなと思ってましたが、事件を追っていくうちに様々な要因や背景が見え始めて、最後には悲しい真相に至っていて思わずマジか…と真相に胸が痛くなりました。

微かな違和感から、辿っていき、真相に迫ろうと奮起する主人公・京介や周りの人の姿は読み応えがありました。

また、一般人が捜査に加わる難しさも描いていてシビアでした。

 

楽しみなシリーズになっていきそうです。

 

東京の高円寺南商店街で小さな仕立て屋を営む桐ヶ谷京介は、美術解剖学と服飾の深い知識によって、服を見ればその人の受けた暴力や病気まで推測できる技術を持っていた。そんな京介が偶然テレビの公開捜査番組を目にする。10年前に起きた少女殺害事件で、犯人はおろか少女の身元さえわかっていないという。さらに、遺留品として映し出された奇妙な柄のワンピースが京介の心を捉える。10年前とは言え、あまりにデザインが時代遅れ過ぎるのだ。京介は翌日、同じ商店街にあるヴィンテージショップを訪ねる。1人で店を切り盛りする水森小春に公開捜査の動画を見せて、ワンピースのことを確かめるために。そして事件解明に繋がりそうな事実がわかり、京介は警察への接触を試みるが……。