羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

同じ星の下に

同じ星の下に (幻冬舎単行本)

誘拐作は様々あるが、今作は優しさと厳しさの塩梅が上手かったです。だから最後まで真相を知りたくて仕方なかった。

優しい誘拐を描いていて、ある程度先が読めてしまうのが難点だが誘拐犯と虐待されていた人質の関係は安らぎの時間だったのは良かったです。ぎこちない関係から少しずつ発展していく過程が尊かった。

だからこそ、家にいるよりも、誘拐されていた方がマシというのは悲しい。

その子を救う為の物語で、誘拐犯の為でもあった。

 

誘拐犯の思惑が明かされてからはしんみりした気持ちになったが、救いのある終わりでホッとしました。

 

同級生はみな幸せそうだ。なのになぜ、わたしだけが、これほど不幸な目に遭い続けるのだろう。

12月の北海道。中学2年の少女・沙耶(さや)は、自分を日常的に虐待をしてきた両親が、今夜、海で自分の殺害を計画していることを知っていた。ところが下校途中「児童相談所の職員」を名乗る男の車に乗せられ、そのまま誘拐・監禁される。監禁下の交流から、ふと彼女は、男が、じつは「本当の父親」ではないかと疑い始める。一方、男は身代金2000万円が目的の営利誘拐であると犯行声明を北海道警察に送りつけ、粛々と計画を進める。男は一体、誰で、目的は何なのか?