羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

君を描けば嘘になる

君を描けば嘘になる (角川文庫)

綾崎隼先生の作品は気になってましたが、もっと早くに読めば良かった!

今作が初作品としては文句なしの名作でした。

才能、芸術、一概には説明出来ないものを追求していくと迷ってしまう。それでも、自分の芯に眠る創作意欲を忘れてなければ大丈夫。

ただ、ドツボにハマっら当たり前のことがわからなくなってしまう。それは才能あるなし関係ない。

 

才能を持っている人、持っていない人、そして見守る人。全ての人に光が当たる余韻が良かったです。

視点が変わり、見方が変わっていく。

最後に天才に持ってくるのが非常に上手い。

わがままな天才の内側を覗ける終盤は圧巻でした。

人のままならない感情をよく描いていた。

1話ごとのタイトルの付け方が内容を表していて、素晴らしかった。

 

恋愛小説の名手によるアート×青春×純愛物語

誰もが認める圧倒的な絵の才能を持つ少女・瀧本灯子。卓越した技術で、人間業とは思えない緻密な絵を描く少年・南條遙都。二人は幼くして出会い、互いの才能を認め、共に創作へ打ち込んできた。美大へ進んだ二人に気鋭の画家として評価が高まっていた矢先、二人のいるアトリエを土砂崩れが襲う。なんとか命は取り留めた二人だったが、画家としてあまりに酷な運命が待ち受けていた。若き天才画家を取り巻く絶望と愛の物語。