羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

琥珀の夏

琥珀の夏 (文春文庫)

分厚い作品だったので覚悟していたが、重たい内容だった。

宗教が絡むとややこしくなるが、今作もそう。子供はいつも親、大人に振り回されるのだなと。翻弄されて、苦しんだ少女の時が再び動き出す様子までをじっくり追っていって、読むのを辞められなかった。

あらすじにまんまと引っかかって、驚かされました。とはいえ種明かしが中盤にあるのが意外でした。むしろそこからが本番でした。宗教、親子、保育、家庭、教育、様々な要素が詰め込まれていて、回収し切れてないように思えるが、大事なものは掴んでいたから良いか。幼少期の消えない思い出は汚れていなかった。

 

最後まで読んで、真実を確かめられて良かった。

 

様々な人に触れて欲しい作品でした。

 

かつて、カルトだと批判を浴びた<ミライの学校>の敷地跡から、
少女の白骨遺体が見つかった。
ニュースを知った弁護士の法子は、無騒ぎを覚える。
埋められていたのは、ミカちゃんではないかーー。

小学生時代に参加した<ミライの学校>の夏合宿で出会ったふたり。
法子が最後に参加した夏、ミカは合宿に姿を見せなかった。

30年前の記憶の扉が開くとき、幼い日の友情と罪があふれ出す。