羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

刑罰

刑罰 (創元推理文庫)

 

タイトル、表紙に惹かれて読みましたが、中々パンチの効いた短編集でした。必要な部分のみ描いて、不要な部分は削いでいるような文章で、切れ味鋭い短編ばかりでした。

また、ふわっとしたまま、そのまま終わる話もあったりと作者の発想の良さが伝わってくるようでした。

読んでいて、良い意味で置いていかれる展開の数々で、最後まで油断なりません。

 

罪と向き合うことや罪を隠すこと、間違われること、法と人のぶつかり合いみたいでした。様々な立場で罪と接していて、引き込まれます。

最後の短編は痺れました。

テーマとタイトルからして、この締めしか考えられないくらいハマってました。

 

作者の他作品も読んでいこうかなと。

 

黒いダイバースーツに身を包み、浴室で首をくくっていた男。赤ん坊を死なせた夫の罪を肩代わりし、三年後に出所の日を迎えた母親。静寂のなかで余生を暮らし、夏の終わりに小銃に弾を込めた湖畔の住人――唐突に訪れる犯罪の瞬間には、彼ら彼女らの人生が異様な迫力をもって溢れだす。本屋大賞翻訳小説部門第1位『犯罪』で読書界を揺るがした短編の名手が現実の事件に材を得て、罪と罰の在り方を鮮烈に問う12編。著者最高傑作!