羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

後宮の烏

後宮の烏 (集英社オレンジ文庫)

 

表紙に惹かれて、以前から気になってました。

アニメ観て、原作が気になったので読んでみましたが、面白かったです。中華ファンタジーはあまり読まないですが、今作は語りが柔らかで読みやすかったです。

また、どの話も人情に訴えかけてくるものがあり、各話を読み終える度に悲運な登場人物に感情移入してしまいます。

 

作品の中心人物である、秘密に包まれている寿雪と地位がありつつも悩みが尽きない高峻がぶつかったり、すれ違いながらも、悩みを共有していく様子は見事でした。

2人の背負っているものの背景がずしんと心にくるものがあり、作品に浸れました。

周りの青や九九も魅力があり、今後の展開が楽しみです。

 

寿雪が孤独から抜け出していく様子も追っていきたいです。

 

後宮の奥深く、妃でありながら夜伽をすることのない、「烏妃」と呼ばれる特別な妃が住んでいる。その姿を見た者は、老婆であると言う者もいれば、少女だったと言う者もいた。彼女は不思議な術を使い、呪殺から失せ物さがしまで、何でも引き受けてくれるという―。時の皇帝・高峻は、ある依頼のため烏妃の許を訪れる。この巡り合わせが、歴史を覆す禁忌になると知らずに。