羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

どこよりも遠い場所にいる君へ

どこよりも遠い場所にいる君へ (集英社オレンジ文庫)

 

心揺さぶられる青春でした。

素晴らしい青春SF小説。家族から逃げる様に島に移った主人公が過去から飛んできた少女と出会うことで、互いに影響を与えていき、生きる希望を見出だしていく姿に胸を打たれます。

 

生きていて、どうしようもない困難に出会ったら逃げるのが正しいが、目を背けたままでは先に進めない。諦めて生きていくのではなく、どうにか前に歩むために踏み出す勇気が必要だと教えられます。当たり前だけど、響きました。

 

今作の鍵である過去から来た少女の結末が見事過ぎて読み終えた後にジーンと来ました。

タイトルの通り、物理的に遠い場所にいる2人が繋がりあった瞬間には様々な感情が押し寄せてきました。

素晴らしい読後感でした。

 

ある秘密を抱えた月ヶ瀬和希は、知り合いのいない環境を求め離島の釆岐島高校に進学した。釆岐島には「神隠しの入り江」と呼ばれる場所があり、夏の初め、和希は神隠しの入り江で少女が倒れているのを発見する。病院で意識をとり戻した少女の名は七緒、16歳。そして、身元不明。入り江で七緒がつぶやいた「1974年」という言葉は?感動のボーイ・ミーツ・ガール!