羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

嘘つきなふたり

嘘つきなふたり (角川書店単行本)

 

表紙、タイトル、あらすじ、帯から、ひしひしと感じるものがあり楽しみにしてましたが、その通り、いや想像以上に良かった。

雰囲気的に武田綾乃先生の黒小説!と思いきや、最後まで白い部分もあり、新境地を迎えた作品だったのかなと。

ミステリ要素がありつつも、悩みを抱えている女性2人が殻を破る成長小説。

正しさでは拭えない不幸があり、それを分かち合えた2人の嘘つきに幸あれ。

2人が嘘を吐露する瞬間はおっ!と驚くものがあり、分かり合えているようですれ違っていて、そういうものだよなと納得しました。

嘘の内容そのものも、当人にとっては切実だけど他者から見たらそうでもないというのは上手い落とし方でした。

 

正しいと思い込んでる人、正しさを通せなかった2人の教師に関しては考えさせられます。

前者に関してはろくでなし過ぎて、何も思いませんでしたが、後者の方に関してはしんみりとさせられました。

どう考えて生きるのか問われているようでした。

 

『私が先生を殺したの』 “正解を選ぶだけの人生”からの逃避行がはじまる

誰か教えてほしい
恋愛や親友の定義を、人生の模範解答を――

親元から離れ寮で生活する19歳・朝日光は、小学校の同級生だった長谷川琴葉と偶然再会する。
当時の担任が川に転落したニュースが飛び込んできて動揺していると、
琴葉が「私が先生を殺したの」と告白、そのうえ一緒に逃げてほしいと言う。
しかし光は先生を殺した犯人は琴葉ではないと確信していた。なぜなら――。
互いに秘密を抱えながら、ふたりは小学校の修学旅行先だった京都に向かう。

『愛されなくても別に』の著者が描く、愛と友情と嘘だらけの衝撃作!