あらすじから覚悟していたが、容赦無く人の悪性を暴いていました。
読む前はちょっと薄いなと思っていたが、とんでもない。これ以上暴かれたら身が保たないですよ…
読んでいて言葉に斬りつけられているみたいだった。
表題作から始まる短編集。その表題作からして重たい現実を突きつけてくる。関わる価値がない者に関心を払わないことへの問いかけとして発見になりました。蝿は無視してもいけないとか厄介だから排除か無関心か支えるか。難しいけど、答えを見つけないとね。
他の話も呑気に生きてるだけでは見逃してしまう気持ちを大事にしていて、読み終えた後の余韻が苦くても心に残りました。
子供から大人になるにつれて、変わっていく心の在り方に考えさせられました。
見方や捉え方が変わるのは成長するというか何というか。
1話だけ、ホッコリする姉妹の話がなかったら、窒息するところでした。危ない危ない。
これは覚悟して読むべし。
SNSで、会社で、家の中で、今日も煩わしい音がする。
どこからか湧いてくる目障りな存在、蓋をしたい感情。
――それらを消していけば、世界は今より美しくなるのだろうか。グロテスクで一筋縄ではいかない生の一時を鮮烈に切り取った、傑作短編集。
近所で目撃した光景をツイートしたのをきっかけに絡んでくるようになった、粘着質なアカウント。芽衣子は、誰からも相手にされない可哀想な彼を、スマホの中で「飼う」ことに決めるが……。
日常の裏で誰もが「見て見ぬふり」をしているものを突き付ける、破壊力抜群のブラック・エンターテインメント。