羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

新潮社

可哀想な蠅

あらすじから覚悟していたが、容赦無く人の悪性を暴いていました。 読む前はちょっと薄いなと思っていたが、とんでもない。これ以上暴かれたら身が保たないですよ… 読んでいて言葉に斬りつけられているみたいだった。 表題作から始まる短編集。その表題作か…

君といた日の続き

辻堂先生の最新作。 心が洗われて、下を向いたままではいられなくなります。最愛の娘が亡くなり、妻とは離婚。絶望していた主人公がある日、過去から飛んできた小さな少女・ちぃ子と出会う。 過去から未来へきたちぃ子の秘密、目的はミステリで隠されていま…

正欲

内容が精神に影響しそうで、迷ってましたが読みました。 見事に精神がすり減りました笑 今、多様性というのが重要になってきている世の中で果たして、多様性という意味を正しく理解出来ているのかを問いかけてくる。 多様性という言葉を聞いたり、知った風…

この気持ちもいつか忘れる

住野よる先生の作品は今まで一通り読んでるが、恋愛は初めてだな。 ただ、素直に恋愛モノと括るには軽いし、そうではないとも思う。 言うなら恋愛感情そのものを描いていたような気がしました。 主人公・カヤが人生に退屈しているときに出会ったチカという…

どうぞ愛をお叫びください

青春小説を書くのが上手い武田先生の作品なので楽しみでした。題材はYouTuberと聞いたときはいったいどんな物語になるのか想像がつきませんでしたが、見事にまとめあげていました。男子高校生4人の個性豊かな面々が持つゆるーい空気に安心しつつ、いつ波乱が…

自身が主張するものは正しいのか? 神とさざなみの密室

政治的な話と密室事件を組み合わせて、主張の強い作品でした。前半の政治についての両極端な2人を掘り下げて、中盤からその2人が極限状態に追い込まれるまでに振り落とされなかったら最後まで楽しめると思います。自分は政治の話はへー?と嫌に思わなかった…