羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

君といた日の続き

君といた日の続き

辻堂先生の最新作。

心が洗われて、下を向いたままではいられなくなります。最愛の娘が亡くなり、妻とは離婚。絶望していた主人公がある日、過去から飛んできた小さな少女・ちぃ子と出会う。

 

過去から未来へきたちぃ子の秘密、目的はミステリで隠されていました。ただ、伏線がしっかり張られているため、真相が明かされた時に胸を打たれます。また、上手くミスリードしていたおかげで、すっかり騙されました。

ちぃ子と過ごす日々は大切な感情を呼び起こすもので、非常に魅力的でした。

昭和からきた彼女が令和に飛んできて、感じたギャップはあるあるだけど、日本の変化として良い面、悪い面があることを示していて、思わず考えさせられました。

 

主人公が喪失から再起していく物語としても完成されていました。

構成、展開が見事過ぎて、読み終えて胸がいっぱいになりました。

 

娘を亡くし妻と離婚した僕に、未来を生きる資格があるのだろうか。終わりがあると知りながら過ごす、僕と君のひと夏。
コロナ禍のリモートワークを言い訳に自宅に引きこもるばかりのある日、
僕はずぶ濡れの女の子を拾った。
1980年代からタイムスリップしてきたらしい彼女は僕の大切な人の命を奪った連続少女誘拐事件に関係しているのか……。
その時の僕は知るよしもなかった、すべての過去の意味を。
その答えは、今の僕が持っていたんだ。
心揺さぶる辻堂ゆめの新たな代表作、遂に誕生!