タイトル、表紙に惹かれて読んだが、読んで良かった!
ファンタジーの王道である、勇者が魔王を倒す。これは美談ではなく、勇者に担われるというのはただの押し付けであると見たら、見方変わる。
タイトル見たらミステリだけど、誰が殺したかではなく、なぜ死んだ。という感じで勇者一行のパーティメンバーに勇者の話を聞いていくのは上手い構成だなと。勇者本人パートに入り、女王、そして裏側に迫るにつれてそうだったのかという驚きと関心が生まれました。
インタビュー形式で説明を受けて、過去回想に入ることで物語に入りやすくなっていて、勇者とパーティメンバーのことを掘り下げているのでキャラに感情移入しやすかったです。
魔王、勇者、預言者、女王、パーティ、お約束の形をシビアに見たらこうなるのかなと面白かったです。
最後の締め方も微笑ましくて良かった。
勇者は魔王を倒した。同時に――帰らぬ人となった。
魔王が倒されてから四年。平穏を手にした王国は亡き勇者を称えるべく、数々の偉業を文献に編纂する事業を立ち上げる。かつて仲間だった騎士・レオン、僧侶・マリア、賢者ソロンから勇者の過去と冒険話を聞き進めていく中で、全員が勇者の死の真相について言葉を濁す。「何故、勇者は死んだのか?」勇者を殺したのは魔王か、それとも仲間なのか。王国、冒険者たちの業と情が入り混じる群像劇から目が離せないファンタジーミステリ。