羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

クリムヒルトとブリュンヒルド

クリムヒルトとブリュンヒルド 竜殺しのブリュンヒルド (電撃文庫)

ブリュンヒルドシリーズ。設定がうますぎて毎巻感情が掻き乱されるの最高です。逆境の描き方や決断の重みがあって、読み終えた後に放心してしまうくらいです。

今回、ページ数少ないなと読む前に思っていたが、グイグイ引き込まれていきました。帯にあるように王国史に残らなかった、消えてしまう物語かもしれないが、読者の心に残る善人の女王の物語でした。あと、優しき竜と普通を夢見る男も忘れられません。

 

悲しみがあるが、それだけで終わらず。

繋げていく、誰かのために動ける慈愛な心を持つ女王が嫌われるのは皮肉だけど、現実的だった。

だけど、知っている人は忘れられない。

そんなお話。

 

クリムヒルト――王国史から名を消した、暗愚の女王。

王国に仇なした神竜が、「竜殺しの女王」に葬られて百年――歴代女王の献身により、王国は繁栄を享受していた。
五代目女王の娘・クリムヒルトもまた王国を護る決意を胸に戴冠の日を迎える。歴代女王と同じ、神の力の「蝕み」に倒れ苦しむ姉・ブリュンヒルドの想いも背負い、玉座の間に入るクリムヒルト。しかしそこには、女王になる者が知らされる、王国最大の闇が待ち受けていた。
「護りたい」想いは同じく、しかし目に映す未来は異なる、女王が、忠臣が、王子が、竜が――紡ぐ歴史の狭間の物語。第28回電撃小説大賞《銀賞》受賞の本格ファンタジー、第三部開幕!