羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

飛び立つ君の背を見上げる

飛び立つ君の背を見上げる 響け! ユーフォニアム (宝島社文庫)

中川夏紀を語り手にして、北宇治の吹奏楽部時代を振り返らせるのは上手いなと。

俯瞰している彼女だからこその視点で物事を捉えていて、人は一面だけでなく、様々な顔を持つのが分かる。

そして、中川夏紀の目が見る世界は複雑だなと。フラットな彼女が高校生活を振り返り、希実、みぞれ、優子との関係に対して思いを馳せる流れは見事でした。

視点が変われば、また違う感情が見えるんだろうな。

 

斜に構えているようで、素直な夏紀のことを分かっている優子との関係は良いなと。夏紀や友達の良さが伝わってきました。

無事に飛び立つ少女達に安心しました。

 

北宇治高校三年、中川夏紀。
私は今日、吹奏楽部を引退した――。
傘木希美、鎧塚みぞれ、そして吉川優子。
四人で過ごした、最高にいとおしくて、最高に誇らしかったあの日々――。