中川夏紀先輩を軸に回っていくスピンオフ。
久しぶりにユーフォの作品を読めて、色々思い返せました。
夏紀先輩が部活を引退したあとの時系列のお話で、希美、みそれ、優子など一緒に行動していたメンバーのことを中学時代から振り返っていくと、みんな大分苦労していて、一筋縄ではいかなかった青春の跡が窺えました。
夏紀達の代はポンコツの先輩がいた時代を経験していて、日々葛藤したり悶々としたりしていたのが伝わってきました。
本編でも触れられていましたが改めて考えると健全な部活運営じゃなかったんじゃないかな。
そんな中、初心者で俯瞰して見ていた夏紀先輩だからこそ語り手になれたのかなと。
希美の退部、希美、みぞれのすれ違い、優子が部長になり悩む時、それぞれが岐路に立つ時に関わっている夏紀先輩は良いやつではなかったと作中で語られるのが意外でした。
アニメや原作では優しくて良い先輩だった彼女の心の中を覗くことが出来て良かったです。
夏紀先輩の裏側を見れて、より好きになりました。
また、希美、みぞれ、優子の掘り下げとしてもこれ以上ない密度で描かれていて、満足度が高い1冊です。特にみぞれの本音には驚かされました。
また、ユーフォシリーズを読み返したくなりました。
北宇治高校三年、中川夏紀。 私は今日、吹奏楽部を引退した――。 『響け! ユーフォニアム』シリーズの人気キャラ・中川夏紀の視点で、 傘木希美、鎧塚みぞれ、そして吉川優子をみた物語。 エモさ全開の青春エンターテインメント。