青崎有吾先生の作品にハマって、初めて単行本で買った作品なのと内容が素晴らしいので思い入れのある作品です。
文庫書き足しがないですが、表紙が単行本の時と違い、惹かれました。
改めて読み返しても素晴らしい青春ミステリーでより好きになりました。
あぁ、素晴らしい… 思わず読んでいて口から漏れてしまうくらい洗練された青春とミステリーの配合になっていて、短編集ながら各話の登場人物に感情移入してしまう。
登場人物の関係性や会話に読んでいくうちに引き込まれていく魅力がありました。
また、短編という制限がありながらも伏線と回収がスムーズに、かつわかりにくいように行われるのは見事としか言えない。
あっと気づいた時には終わっているという。
流石です。
それぞれの短編のシチュエーションがその登場人物の人生において、重要な場面というのも良かったです。
最後に各短編の登場人物が現れて、その後が垣間見えるのは嬉しい限りでした。
表題作の2人には苦笑しかしませんでしたが笑
青春は、気まずさでできた密室だ。始発の電車で遭遇したのは普段あまり話さない女子。二人は互いに早起きの理由を探り始め……(表題作)。部活の引退日、男同士で観覧車に乗り込んだ先輩と後輩。後輩には何か目的があるようだが(「夢の国には観覧車がない」)。不器用な高校生たちの関係が小さな謎と会話を通じて少しずつ変わってゆく。ワンシチュエーション&リアルタイムで進行する五つの青春密室劇。