阿津川先生の濃いミステリーって感じがして、読んでいて疲れる部分もあるが作者のミステリー愛がほとばしっているようで良かったかなと。
固定観念などがあると到底真相にたどり着けないような、自由奔放な揺さぶり方をしてきて、楽しい読書でした。
作者のレパートリーの広さを浴びせられたようだった。
個人的には、1.2話が好きでした。3.4話はモチーフをしっていないと少しキツイかな。表題作は特にこねくり回されていて、推理するどころではなかった笑
どの話も物語の入口から飛ばしていて、結末に至る頃にはすっかりミスリードされている。
遊び心がありつつ、ミステリーとしてしっかり練られているのは良い読み応えに繋がっていたかな。
また、各話の登場人物が良い個性の人達で読みやすい。
よく思いつくなぁという作品集でした。
本格ミステリ・ベスト10第1位『透明人間は密室に潜む』の衝撃、ふたたび――。古書の街に現れた探偵の秘密、禁断の「犯人当て入試」狂騒曲、虚実が裏返る入れ子細工の2人劇、コロナ禍に覆面レスラー大集合で本人確認不能?……本格ミステリの極限を探る、濃縮された四編