宝島社文庫
中川夏紀を語り手にして、北宇治の吹奏楽部時代を振り返らせるのは上手いなと。 俯瞰している彼女だからこその視点で物事を捉えていて、人は一面だけでなく、様々な顔を持つのが分かる。 そして、中川夏紀の目が見る世界は複雑だなと。フラットな彼女が高校…
武田先生のデビュー作。読めて良かった。手に入れにくいので諦めてましたが新装版で発売してくれて感謝です。男2人女1人の3人が織りなすほろ苦い青春でした。 デビュー作ですが、心理描写やざらつく感情表現が巧みでした。登場人物の表面と裏側の使い方が良…
大変レパートリーに富んだ密室トリックゲームでした。 密室殺人が盛んな時代という特殊設定だからこそ、起きる事件の数々が興味深い。 今回は密室トリックゲームなるものを孤島で行われて、次々と密室殺人が発生する。 前半は頭が切れる密村が制限がかかる展…
今巻までのタレーランは人の負の感情を見る場面が多かったが今巻は謎が解けたら前に進めるような雰囲気の短編集で、好きな一冊です。 叙述トリックがあり、ミスリード要素はあるが、たどり着いてみたら、景色がガラッと変わる様子は見事でした。 読後感は爽…
久しぶりに新刊が出るということで1巻から読み返していこうかなと。 アオヤマと美星さんの出会いはこんな感じだったけと思い出しつつ、様々な謎解き、珈琲の描写を楽しめました。 アオヤマの最初の軽薄さには笑うしかない。 それから変わっていくんだが。 …
久しぶりのタレーランの新刊。 今年で10週年というのは早いなぁと。 自分は1巻の時から追ってないですが、めでたいですね。 今回は短編集で美星さんが安楽椅子探偵の立ち位置なので今までと違った感覚がしました。 静観の立ち位置から、美星さんが謎を抱え…
作者の趣味全開の作風で、勢いと練られた密室トリックに惹かれました。 これほど、好き勝手に書きながらも読んでいて、嫌な気がせずに作品の世界観に入れました。 密室を解き明かさないことには犯人を突き止められない。結構無茶な設定で、密室殺人が増えて…
今年初めに君恋シリーズを読み返していて、改めて作品の良さを確認していましたが、やはり君恋のすれ違い、迷いながらも気持ちを自覚していく作風が好きだ。 この短編集の発売が決まった時はまさかと思ってましたが、出てくれて嬉しいです。 靖貴と恵麻の恋…
下巻。 離れ離れなりそうだった辰巳センセイと円城がどうなるかと思いましたが強引な展開でまとめあげたのは驚きましたが、良い綱引きだったんじゃないかなと。 辰巳センセイの秘められた辛い過去が明らかになり、遠慮して引いてしまうかと思いきや、円城が…
表紙の雰囲気、帯、あらすじに惹かれて衝動買いしました。 青春、文学、ミステリー、それぞれの要素が損なうことなく、それどころか重なり合って魅力的な作品でした。 自分の好きな要素が詰まっているからよりハマってしまいました。 学生の未熟な心や間違い…
表紙や設定が魅力的で惹かれました。 普通に生きられない主人公とヒロインが愛を見つけ出すもので、2人は報われない人生を送っていたが、死神のプレゼントのおかげで今まで経験してこなかったような幸せを見つけられて良かったです。ただ、幸せも力の代償で…
中川夏紀先輩を軸に回っていくスピンオフ。 久しぶりにユーフォの作品を読めて、色々思い返せました。 夏紀先輩が部活を引退したあとの時系列のお話で、希美、みそれ、優子など一緒に行動していたメンバーのことを中学時代から振り返っていくと、みんな大分…
君に恋をするなんて〜で失恋した久美子が大学生になっているスピンオフ。 君に恋をするなんて〜を読んでいた人は最初は戸惑うかもしれないですが、徐々に面白くなっていきます。 久美子が失恋を引きずっているところはありましたが無事に新たな恋をすること…
前巻ですれ違った靖貴と恵麻が運にも見放されていたが、周囲の人の助けでなんとか縁が切れずに繋ぎ止められた。 前半から中盤まで、恵麻の胸中を想うと切なくて悲しいほどにすれ違ってしまっていて、複雑な気持ちだった時間が長くて辛かった。 たしかに恵麻…
読んでいるこちら側の胸がドキドキハラハラする純粋な恋物語で久しぶりに読み返しても作品に浸れる良い作品です。 目立たない少年・靖貴と美少女の恵麻が最初は互いに心がひらけずにおっかなびっくりに接していたが、些細な交流を続けていくうちに互いの良…
シリーズ最新刊。既刊を読み終えてちょうどいいタイミングで発売してくれました。もう珈琲に関係ないのに驚かなくなってきたけど、寂しい。タレーランの事件だけど、解く場所が広がってきていて、そこは良い意味に捉えていけば良いかな。今回の謎はよく練ら…
連作短編仕掛けで、人間関係のドロドロした部分を垣間見える話でした。重たいところがありますが、時折見せる美星さんの可愛い嫉妬に癒されつつ、まだアオヤマと付き合ってないのか…と思う。源氏物語を深く知っていたらもっと楽しめたかもしれません。そして…
先輩と私が送るとちょっと不謹慎で、不思議な話を1ページずつ描かれている。左ページに題名、右ページに話ぽんぽん進んでいくようですけど、後に繋がるところがあり、先輩と私の間にある距離感が徐々に見えて来るのが良いですね。斜線堂先生の会話のセンスや…
短編集。いつもの黒い話は控え目で、どれも前に進める明るい話ばかりでした。読みやすくて、気楽に読めました。お得意の叙述も挟んであったり、美星さんの過去、シャルルについて、色々ありましたが、特に印象に残ってるのは、アオヤマが美星さんからもらっ…
遂に最終楽章後編。前編で漂っていた悪い予感が全て的中してしまい、中盤まで、苦しい展開に。久美子は部長になり、降りかかる困難に対処するのに精一杯で、同情してしまう。だが、久美子が北宇治での原点となる。あすか先輩と話したり、友人、後輩と接して…
今回は、コーヒーバリスタコンテスト。名誉ある大会に美星が参加することになり、アオヤマも付き添いで行く。ただ、表では分からなかった大会の裏側がドロドロした事情が混ざっており、すんなりといかない。純粋なコンテストとは離れていき、妨害行為が多発…
遂に最終章。久美子、麗奈達が3年生になり、部を引っ張り全国金賞を取りにいく。まだ、終わりを見たくないという思いがあり、手に取るのが遅くなりました。だって、好きなんだもん、久美子達が…それでも最後まで見届けようと覚悟していたが、前編はただ、振…
シリーズ最後の短編。実に良い息抜きになります。あすか世代、優子世代、それぞれの代の卒業までの残された時間を切り取った話が多く含まれていて、どの話も読んでいて沁みました。このシリーズを読んでてよく思いますが、各キャラの関係性や変化、呼吸、歩…
スピンオフ後編。2冊でまとめるのが勿体ないくらい、面白い。梓が自分の問題と向き合い、そして、未来先輩のアクシデントと直面する。様々な困難がありましたが、周りの仲間が梓を支えていて、皆一丸になっていたのがまさに青春!部活の王道をいっていて素晴…
スピンオフ作品。久美子や麗奈と同じ中学だった、梓が主人公でお送りする。本編の最終章を前に読んでおこうと思い読みました、相変わらずの作者の腕前で巧みな描写と心の揺らぎを書いていて、部活内の出来事をドラマにするのが上手。本編の久美子に肩入れし…
二年生編の下巻。様々な問題を抱えながらも、大会へ。新一年が加わり、明らかに前年より上回った演奏だった。だけど、足りなかった。新しく優子が部長になり、少しずつ守りに入っていた。それは確かに、伏線は張られていた。ただ認識が甘かった。作者はなん…
誓いのフィナーレを見たら早く読みたいと思っていた二年生編。結構厚いが、内容がギッシリ詰まっていて、あっという間に読めます。久美子が二年生になり、1年の指導係になったのでくせ者の1年の悩みに向き合わないといけなくなる。あすか先輩の影響を受けつ…
定期演奏会と合同演奏会の短編二本とガイドブックが収録されている、一冊。・定期演奏会の話では、久美子が葉月の隠した気持ちを拾ってあげるのは優しいな。なんでもそうだけど、初心者の好きを否定したくない。・合同演奏会だと、昔からの知り合いの梓が久…
今回は美星さんの妹・美空が登場。美空は美星さんとは違い、明るい性格だった。でも似てないようで似ているのが仲良しさに繋がってるのではないか。美星、美空姉妹の秘密が明かされた。次はアオヤマの過去が知りたいです。2巻は1巻と比べて苦い謎が多かった…
以前から気になっていたが、長らく手を出さずいたが、遂に読みました。黒髪ショートの女性のヒロインということで、落ち着いてるのかと思いきや、意外にも饒舌で、謎を解決するために動くので、ギャップがあり良いヒロインではないか。バリスタヒロイン・切…