羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

ベイビー、グッドモーニング

ベイビー、グッドモーニング (角川文庫)

たまに読み返したくなる小説です。

読むのが3度目ですが、それでも作中の言葉や登場人物の揺らぎを噛み締めたくなります。

何度読んでも良いものは良い。

余命間近の人達とフランクな死神の問答や関わり方が魅力的です。ユニクロの服着たり、携帯料金払う死神なんて聞いたことないです笑

 

また、作品を通して死に際に諦めて死ぬのではなく、生を噛み締めて死ぬ美学を感じました。本心と向き合わずに死ぬのを止めて、しっかり自分の気持ちと向き合ってから逝くのは優しさなのかもしれない。

 

最後の落ちは上手くまとめていて、繋がりを感じるもので暖かい気持ちになりました。

 

死に際に後悔しない生き方をしたいなと。

 

河野裕が描く、すべてのこの世界に生まれてきた人々のためのファンタジー

アルバイトに励む死神が出会ったのは、綺麗に死にたいと言う嘘つきな少年、物語の中で自殺した小説家、世界を「良い人」で埋め尽くす計画を立てた青年、それから年老いた誇り高き道化師。四つの魂の物語。