羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

暗闇の非行少年たち

暗闇の非行少年たち (メディアワークス文庫)

 

松村涼哉先生は社会から溢れてしまって行き場のない子供達に寄り添う作風で、今作もそうでした。

罪を犯して、更生するのは並大抵のことではなく。周囲からの目、自分で自分を許せなかったり、上手くいかない。

少年院に入った事実から目を背けたくなるが、今作ではティンカーベルという存在がいる。

迷い、苦しむ少年、少女にVRという現実と向き合うための居場所を用意される。

そこで悩みを抱える人達が互いを支え合う救いがあって、自分の枷にめげずに向き合っていく。

上手く生きれなくとも、人生をかけてやり直していく決意は胸に響きました。

 

ティンカーベルの正体にも触れていて、そこもグッときました。

 

少年院から退院した18歳の水井ハノは、更生を誓いながらも上手く現実に馴染めず、再び犯罪に手を染めようとしていた。そんな時、SNSで「ティンカーベル」と名乗る人物から、ある仮想共有空間(メタバース)への招待状が届き――。
空間に集う顔も本名も知らない子供たちとの交流を通し、暗闇にいたハノは居場所を見つけていく。だが、事情を抱える子供たちのある“共通点”に気づいた時――、謎の管理人ティンカーベルが姿を消した。予想もつかない事態へ、ハノたちも巻き込まれていく。

子供たちを集める謎の管理人ティンカーベルの目的とは。更生を願い、もがく少女が見つけた光は、希望かそれとも――?
鳴りやまない反響に20万部突破 『15歳のテロリスト』の著者が放つ、新たな衝撃ミステリー!!