羽休みに娯楽を

読書、主に小説の感想を上げています。たまに、漫画や映画等も。

後宮の毒華

後宮の毒華 (角川文庫)

 

最近後宮の物語に惹かれていたので、実績ある作家の作品ということで楽しみにしていました。

割とある設定だが、じわじわと伝わってくる主人公・玉蘭の焦燥感と成長に読んでいて、釘付けにされました。

後宮で起こる毒にまつわる事件と遭遇し、成長していく玉蘭。

美人で優秀だった姉が失踪したことにより、姉の代わりを務めることに。女装してしきたりなどを覚えたり、悪戦苦闘する日々は愉快でした。

しかし、毒にまつわる事件と遭遇し、姉の状況を理解していくうちに変化していく心境は見事でした。

自分ではなく姉を慕っている側近に罪悪感を感じたり、身内を疑ったり、信じられない状況に落ちいったが毒妃・ドゥドゥと出会うことで変わっていく。

根っから善を持つ玉蘭と毒にまつわることなら動くドゥドゥの組み合わせは上手くハマっていました。

 

玉蘭は未熟ですが、姉の代わりを務められている。

彼の優しさが周りを救っていくのは良いものでした。

 

続編に期待が持てる始まりでした。

 

あらゆる毒に通ずる妃と、身代わり妃として後宮に潜入した少年が謎を解く!

時は大唐。繁栄を極める玄宗皇帝の後宮は異常事態にあった。
皇帝が楊貴妃ひとりを愛し、他の妃を顧みない。
そんな後宮に入った姉を持つ少年・高玉蘭(こうぎょくらん)は、
ある日姉が失踪したと知らされる。
やむにやまれず、玉蘭は身代わりとして女装で後宮に入ることに。
妃修行に励む中、彼は古今東西の毒に通じるという「毒妃」ドゥドゥに出会う。
折しも側近の女官に毒が盛られ、彼女の力を借りることになり……。
華麗なる後宮毒ミステリ、開幕!