魔女が生贄の少女と一緒に暮らしていき、互いに相手を自分以上に大事にしているのは依存に近いですが、尊いと思います。
最初から中良い状況で始まりましたが、途中に挟まっている出会った頃のそっけない関係から愛が育まれていった過程が胸にきましたし、だからこそ互いの必死な行動原理に納得がいきました。
おとき話でなるべき結末にならなかった世界に入り、物語に介入していき幸せな終わりを目指していくのが軸でした。
各話の終わり方が多種多様で、読んでて驚きました。
おとぎ話の登場人物の心情や状況は固まってないほうが面白いなと思いました。
そして、魔女と娘の未来は幸せだったのか、最後の解釈はどうなんでしょう。
(あらすじ)
魔女が人間の子供を拾ったって。
その先には、ロクな結末が待っていやしないのにーーー
魔宴の夜、魔女集会へ生け贄として捧げられたサラは
古き魔女、エンゲル・ヘクセンナハトに拾われる。
『幸福になれなかった物語』を管理する彼女の書架には、
銀の鎖で封印された“呪われた御話”たちが眠っていた。
在るべき結末を迎えなかったお伽噺を幸せな終わりに導くため
サラは禁忌を破って独断専行、本の中へと飛び込んだ!
物語世界を旅する魔女と少女を待ち受けるのは、
幸福な結末か、哀切な運命か、それともーーーー